大型オーディションでデビューも仕事のない日々 23歳・森日菜美、転機はバラエティーでの末っ子キャラ

俳優、タレントの森日菜美が、フジテレビ系の『呼び出し先生タナカ』で快活なキャラクターを見せている。10年前の2014年に『東宝芸能50周年記念オーディション』に合格。長澤まさみ、上白石萌音、上白石萌歌、浜辺美波ら主演俳優が多く所属する事務所で、バラエティー、グラビアでも個性を発揮する異色の存在だ。誕生日の3月30日には、初のフォトスタイルブック『Chicktack』が発売された。仕事のない日々も経験した23歳が、山あり谷ありのキャリアを振り返った。

デビュー10周年、23歳の誕生日にフォトスタイルブックを発売した森日菜美【写真:北野翔也】
デビュー10周年、23歳の誕生日にフォトスタイルブックを発売した森日菜美【写真:北野翔也】

初フォトスタイルブックの撮影で“韓国エンタメ聖地巡礼”も実現

 俳優、タレントの森日菜美が、フジテレビ系の『呼び出し先生タナカ』で快活なキャラクターを見せている。10年前の2014年に『東宝芸能50周年記念オーディション』に合格。長澤まさみ、上白石萌音、上白石萌歌、浜辺美波ら主演俳優が多く所属する事務所で、バラエティー、グラビアでも個性を発揮する異色の存在だ。誕生日の3月30日には、初のフォトスタイルブック『Chicktack』が発売された。仕事のない日々も経験した23歳が、山あり谷ありのキャリアを振り返った。(取材・文=大宮高史)

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――『Chicktack』は韓国でも撮影したそうですが、作品のコンセプトは。

「森日菜美の代名詞になるように、やりたいことや人生観、好きなものを全て詰め込みました。私、実は日韓のクオーターで、韓国の文化もエンタメも好きだったので、いつかは現地の空気を体感したいと思っていました。それがかないました」

――1番の思い出は。

「Netflixでたくさん見てきた韓国のドラマや映画の聖地巡礼ができました。そして、ドラマの『セレブリティ』や『わかっていても』の華やかな世界をリスペクトした衣装で、煌(きら)びやかに撮っていただきました。憧れていたドラマの世界を五感で体験できて、写真だけでは伝えきれないくらいのうれしさと高揚感が思い出です」

――3月30日は23歳の誕生日でした。

「年度末ぎりぎりで、同級生の中で誕生日を迎えるのがいつも一番遅かったですね。20歳になる年に友達で集まっても、私だけお酒が飲めないことがありました。でも、いつも末っ子ポジションで、甘えさせてもらえるのもメリットかなと」

――『呼び出し先生タナカ』でも、レギュラー出演者の中では最年少です。

「初めてゴールデン帯のバラエティーに出演できた番組で、タレントとしての一丁目一番地をつくってもらいました。2年前、呼んでいただいたばかりの頃は右も左も分かりませんでした。リアクションも自信がなかったのですが、スタッフさんが『いいじゃん』って肯定してくれました。おかげで、キャラクターを開拓していくことができました」

――番組内では、えなこさん、村重杏奈さん、なえなのさんとのアイドルユニット・東京湾岸がーるずのメンバーですね。

「4人の中では私が一番“ガヤ”が得意かもしれません。ゲームを思いついて巻き込んだり、小さな話題でも話しかけて共有したくなります。でも、『話にオチがない』って指摘されることもあって(笑)。思いつくままに話題を広げてしまうから、自分でオチを回収できなくて、ツッコんでもらえることで場を盛り上げる。これが私のキャラクターなのかなと思います」

――歌やダンスに自信はありましたか。

「アイドルは好きでしたが、自分がステージに立つようなイメージは全く抱いていなかったので、選ばれた時は本当にびっくりしました。しかも、歌唱テストのワースト4人が集まったユニットだったので、2度びっくりで(笑)。歌もダンスも未経験で人前に立つのも苦手だった私が、番組で築いてきた空気感と末っ子キャラのおかげで前に出ていけるようになって、成長している実感と自信がつきました」

3月末、5年間通った大学も卒業した【写真:北野翔也】
3月末、5年間通った大学も卒業した【写真:北野翔也】

仕事のない日々、同世代の活躍を見て苦悩

――「人前に立つのが苦手だった」というのは意外です。

「挑戦することは好きなのですが、臆病な面もあるなと自覚しています。それでも、テレビっ子で憧れのこの業界に行きたくて、お母さんも勧めてくれたオーディションを何度も受けていました。そして、中学2年生の時にこの東宝芸能の50周年オーディションでデビューできました。でも、私は結果がついてこないと不安になる心配性持ちなんです。お仕事がない時期が続いたので、合格した頃の夢気分は吹き飛んで、同世代の子たちの活躍を見て、『あの子と私で何が違ったんだろう』と思う時がありました」

――その後、テレビ朝日系ドラマ『機界戦隊ゼンカイジャー』のフリント役で知名度が上がりましたが、低迷期を脱却できたきっかけとは。

「気持ちを素直に周りの人に明かせるようになってからです。なかなか人に相談ができなかった性格を変えて、本心を話せるようになったら両親もマネジャーさんも、以前より親身になってくれました。そして、(マネジャーと)二人三脚でオーディションに合格したのが、『ゼンカイジャー』でした。『感情や意志は正直に話さなければ』と実感してから、バラエティーでの立ち振る舞いも分かってきて、交遊関係も広がりました。『呼び出し先生タナカ』でご一緒したやす子さん、『ぐるり東京江戸散歩』での乃木坂46の阪口珠美ちゃんとも友達になれました。やっぱり、私の人生にはテレビが不可欠のようです」

――今後の目標は。

「『1を10にする』感覚で走り続けたいです。バラエティーにドラマ、『bis』でのモデル活動、韓国エンタメ……どれもさらなるブレイクへのきっかけにしたいですね。テレビが大好きでこの世界に飛び込んだので、どんなジャンルの番組でも露出が途切れない1年にします。現状が1だとしても、10、100、1000…とスケールを大きくしていこうと思います」

――ご実家には小松菜の畑があると聞きました。小松菜にまつわる仕事もできそうですね。

「そうなんです! 情報番組のお仕事やアンバサダーもやってみたいですし、フォトブックではファッションやエンタメへのこだわりをたくさん語ったので、好きをお仕事に生かして、才色兼備な存在になれるように頑張っていきます」

□森日菜美(もり・ひなみ) 2001年3月30日、東京都生まれ。日本大経済学部卒。14年に『東宝芸能創立50周年記念オーディション』に合格。21年にテレビ朝日系『機界戦隊ゼンカイジャー』フリント・ゴールドツイカーで注目を集める。22年からフジテレビ系『呼び出し先生タナカ』に出演しており、番組内アイドルユニット・東京湾岸がーるずの一員に。23年4月からは、TOKYO MX『ぐるり東京江戸散歩』でお散歩娘を務めた。『趣味の園芸 やさいの時間』(NHK Eテレ)に出演中。4月11日スタートのドラマ『彼のいる生活』(TOKYO MX、ABEMA)に出演。163センチ。血液型B。

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