【独占】クーデター、経営不振、方針転換…“王道”全日本の裏側を福田社長が激白「私は給料を1円ももらっていない」

年末年始、激震に見舞われた“王道”全日本プロレス。「クーデター」や「引き抜き」という物騒なワードも飛び交い、黒幕や白覆面といった劇画チックな展開も話題になっている。今回は渦中にある福田剛紀社長に騒動の顛末を語ってもらった。

アク女の3名(左から後藤智香、青野未来、福永莉子)からキャバクラ接待を受けた福田社長
アク女の3名(左から後藤智香、青野未来、福永莉子)からキャバクラ接待を受けた福田社長

不発に終わったクーデター

 年末年始、激震に見舞われた“王道”全日本プロレス。「クーデター」や「引き抜き」という物騒なワードも飛び交い、黒幕や白覆面といった劇画チックな展開も話題になっている。今回は渦中にある福田剛紀社長に騒動の顛末を語ってもらった。(取材・文=“Show”大谷泰顕)

――年明けから「クーデター」や「引き抜き」という物騒なワードもメディアで取り上げられています。実際そのような事実はあったのでしょうか。

「お騒がせして申し訳ない、ご心配と誤解がないようお伝えしておきます。ある人物から私に『クーデターを社内で仕掛けましたが、失敗したので責任を取って辞めます』とメールが届いたりして、なんのことだか理解できないでいたら、選手達から『移籍の誘いがあった』と報告されました。給料アップを誘導するブッキングとのことでした。これからは一層、気を付けたいものです」

――実際にそういう動きがあったと。内部にスパイというか他社へ移籍させるための人物が存在していたということでしょうか。

「クーデターや引き抜きを起こそうとした人物とは、私も普通に連絡を取り合っていた仲でしたが、私の耳に入った頃、1月の上旬には不発に終わっていました。結論から言うと、全員が契約を更新して残ってくれたのでうれしいかぎりです」

――これには黒幕が存在している。

「今、うわさになっている黒幕とは違う内容でしょう。後ろにいる悪い黒幕というか、組織も人物達も大体は分かっています。私が気付かなかっただけで振り返ると仕掛け続けられていたのかもしれません」

――プロレス業界はシビアなので若い才能への移籍オファーは絶えないのかもしれませんね。ちなみに全日を乗っ取ろうとしている、違う黒幕、福田社長のアドバイザーをしながら中嶋勝彦のマネージメントもしている人物がいるような記事も出ています。展開がまるで劇画漫画のようだと一部でうわさになっています。

「マット界で起きることって確かに漫画のようですね。先日までたたかれていた、私のちょんまげ映像も、実は最重要部分を事情によりカットしたもので、いつかフルバージョンを見てもらえれば、意義を理解してもらえるのではないかと。アクトレスさんのYouTubeにでも出してもらおうか……」

最重要部分がカットされたちょんまげ動画

――あれはフルバージョンではなかったのですね。

「カットされた部分とは、私のアドバイザーについてだったんです。実は前からある名のある霊媒師に、会社の行く末を見てもらうのに天国から“全日本プロレスを象徴する人物”、◯◯◯◯を呼んでもらって相談させていただく機会が幾度かありました。これはウソのような実話で、プロレスと関係のない場所での私のプライベートな体験で、そこで聞いた助言の通りに動いてみたところ、実際にWWE/NXTから協力が得られ、アクトレスガールズと業務提携が決まり、短期間で全日の数字がどんどん上昇してきたという打ち明け話なんです」

――霊媒師! なかなか驚きの話をサラッとされましたね。

「私も恐れ多くて、決していたずらに“全日本プロレスを象徴する人物”に相談した訳ではございません……。私が約8年前に全日本プロレスのオーナーになった時から、会社は毎月高級車が買える程の大赤字で、しかし、選手と社員には給与振込を最優先しなければならないので、全額を私個人で払ってきました。最初から毎月潰れてもおかしくない状態に直面していました。さらには4年前からコロナが追い打ちをかけてきて、逆境に次ぐ逆境、それをなんとか維持してきました。当初は経営やマッチメーカーを以前からいた人達に任せていましたが、どんなに会場が一杯になっても、昨年まで単月収支で一度もプラスが出たことがありません。また私は給料を1円ももらったことがなく、移動費や接待で経費を使ったことがありません。それをしたら即、全日本プロレスは解散、潰れる状態だったからです。それが過去の7年間です」

――経営状態が最悪だったと。

「ええ。そして限界が見えてきました、さあ資金ももう底をつき始めて『全日本プロレスも、三冠の歴史も、もう終わりか……』とあきらめるしかないと思った頃に、米国の団体と話す機会があり、共にウソでもダメでも、先人、“全日本プロレスを象徴する人物”から話を聞いてみようと思いつきました。最初この話は米国の団体と協力関係を築く案が出て、でももしかしたら乗り込まれて『全日本プロレス』という団体名と50年を超える伝統が消されてしまうのではないか? と私が真剣に悩んでいた時にさかのぼります。この案をもし団体の先人、“全日本プロレスを象徴する人物”が知ったらどう感じるか聞きたくなりましたが、行動に移せずにおりました」

――そうだったんですね。

「切羽詰まって、“全日本プロレスを象徴する人物”に相談したら彼は真っ先に『昔と違って、プロレスって人気が無くなっちゃったんだよな』と。私が説明しなくても現状を全て知っていました。『格闘技だとか新しい娯楽が増えたんだから、これも時代の流れでしょうがないよなぁ』って。その場でアドバイスをいただき、『福田、振り切れ!』と思いもよらない案を聞き、昨年から実行してみたらそれが当たり、選手と社員の努力に結果が伴うようになってきて、今でも運営を続けていられる幸運に恵まれています。この内容を『悶絶!!福田社長室!!』でカットされたので、単なるおふざけのバカ殿映像に見られても仕方なかったのでしょう」

――今までのイメージとかなり違いますね。報道にあるような脱退者続出ではなく、鍵になる選手が残ったところに本質があるのかもしれませんね。

「そうですか」

“全日本プロレスを象徴する人物”のマジック

――赤字続きは理解できましたけど、霊媒師による“全日本プロレスを象徴する人物”からの助言の話があったにせよ、いいか悪いかは別にして、福田社長が前面に出ることで、会社の注目度が上昇しているのは事実だと思うんです。

「現在、会社内部を再整理中ですが、ひと筋縄にいかないとも助言されました。多少の反発などあっても、これからは私が会社の運営などの中心になり立て直していこうと。かなり細かいアドバイスをいただいて、気持ちが前向きになりました。『全日本プロレスを世にあるエンターテイメントと見比べてみると、今が本当に変わらないといけない時代である、振り切って楽しませるようにしなさい』と。そして本業のプロレスは、より明るく楽しく激しくで、という助言でした。この福田、時には体を張って進めて参ります、と約束してきましたので少し顔を出すようになりました」

――では一部で「黒幕」とやゆされている中嶋勝彦選手のマネージメントをしている人物について教えてください。

「中嶋選手はフリーランスで、今は全日のリングで試合に出場しています。我々は中嶋選手と直接の関係だと思っており、間にマネジャーやマネージメント会社はおりません」

――とはいえ、中嶋選手のX動画に白覆面が登場しています。あれはマネジャーかアドバイザーではないかと……。

「その記事が『日経新聞』に載っていれば私も知っているでしょうが、あまりSNSを見ないのでなんのことだか…すみません、存じ上げません」

――いや、ズバリ言うと、白覆面はWWE日本担当アドバイザーのサイモン・ケリー氏と同一人物だといわれています。

「サイモンさんでしたら全日本からしたらWWE/NXT選手の担当窓口であり、もちろんWWEには何人もいて。その先にはあちらの上層部の方々をはじめ、右腕、左腕チームなどいらして、指示やアドバイスなどは受けますが……中嶋選手について細かい話は分かりかねます。申し訳ありません」

――元をたどると、中嶋勝彦選手がプロレスリング・ノアを退団して、いきなり全日本プロレスにやってきたことも不思議といえば不思議です。

「我々もいきなり花束を持って宮原選手をたたいたところから始まって、未だに他団体から誤解が解けておらず非常に迷惑で。何が彼をそうさせたのか不思議でしょうがないです。もしかしたらあれが本当の『闘魂スタイル』なのではないかと…」

――では質問の角度を変えさせてください。WWE/NXTと全日本プロレスは今後も関わりがあるのでしょうか。現役のWWE選手が日本のリングに上がること自体が異例で、失礼ながら全日本プロレスの七不思議の一つでもあります。

「先人、“全日本プロレスを象徴する人物”のマジックが起きたのでしょう。また福田社長室に電話がかかってきてくれればいいのですが、どうなんでしょう? 私も楽しみにしています。前々からの私の希望は、全日本プロレスの優秀で有望な選手達が世界で活躍するということ、夢物語ではなく現実にその姿を見たいものです。これからも明るく楽しく激しいプロレスを提供できるよう張り切って参ります。どうぞよろしくお願い致します。本日はありがとうございました!」

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