女優の長澤まさみが主演する映画「MOTHER マザー」(7月3日公開、大森立嗣監督)のマスコミ向け完成披露舞台あいさつが15日、東京・東新橋のスペースＦＳ汐留で行われ、長澤のほか、共演する阿部サダヲ、奥平大兼、大森立嗣監督が顔をそろえた。

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　新型コロナウイルスの影響で映画の舞台あいさつが行われるのは約２か月ぶり。

　長澤が「公開できると聞いて、うれしかった。この映画はたくさんの人に待ってもらっていることを実感していました。映画館も空いてきましたし、体調を見て、でかけてください」と言えば、阿部も「うれしいですね。カメラの音を久しぶりに聞いた。こちらから見る景色を忘れない」と喜んだ。

　また、大森監督も「コロナはどうしようもない。映画を作るしか能がない。なんとか生き延びていくしかない。最近、(感染者も)増えているので、ただただ無事公開できることを祈っている」と、それぞれに不安まじりながらも、喜びをかみ締めた。

　コロナ禍での生活について、阿部は「ボーとしていましたね。勉強もしていない。長く続くタイプじゃないので、(話題の)『鬼滅の刃』も４巻で止まっています。芝居が好きなのかな」と説明。一方の長澤は「映画やドラマを観たり、料理をしたり。みなさんがやっていたことと変わりないかな。いつもよりも丁寧に料理を作りました」と報告した。

　本作は、実話をベースにし、既成の価値観では測れない親子のあり方を問いかける感動の衝撃作。社会から孤立していく中で、築かれる母と息子の歪んだ絆が、ひとつの殺害事件を引き起こす姿を描く。

　闇へ堕ちていくシングルマザー、秋子に挑戦した長澤は「私自身、母から受けた影響が大きいと感じていた。親が子を作る責任を感じ、他人事ではないと思い、演じてみたいと思った。(秋子は)本当にひどい人なんで、こんな人がいたら、いやだな」とボソリ。

　秋子と内縁の夫になるホスト・遼役の阿部は「『こいつ、ふざけんな！』という人になりたい、と思いました。長澤さんにも(役の)イメージがないので、やってみたいと思いました。(長澤の)最後の顔のアップが怖くて、印象に残っている」と話した。

　最後に、長澤は「(この映画が)久しぶりの映画館での映画鑑賞になるといいなと思っています。私自身も映画館に足を運びたいと思います。みなさんも無理ない程度に少しでも気分を変えてほしい。ハードだけどもメッセージのある作品になっています」とアピールした。

　本イベントは東京都が発表した新型コロナウイルス感染症を乗り越えるためのロードマップ「ステップ2」に従い、ホール場内100人未満を徹底して実施。マスコミはマスク着用の上、指の消毒・検温と、チェックシートを記した上で入場。登壇者もソーシャルディスタンスを保った。