弱すぎるのになぜ愛される? 戦闘スキルほぼゼロでも活躍する主人公たち

漫画やアニメの主人公は、厳しい修行や力の覚醒によって強く成長していくイメージがある。しかし、戦闘能力がほぼ皆無でバトルにおいて活躍も少ないながらも、高い人気を誇る主人公もいる。今回は弱いのに人気の主人公3人と彼らが愛される理由を考察する。

東京卍リベンジャーズ(著:和久井健/講談社)
東京卍リベンジャーズ(著:和久井健/講談社)

戦闘で役に立たなくても愛される主人公

 漫画やアニメの主人公は、厳しい修行や力の覚醒によって強く成長していくイメージがある。しかし、戦闘能力がほぼ皆無でバトルにおいて活躍も少ないながらも、高い人気を誇る主人公もいる。今回は弱いのに人気の主人公3人と彼らが愛される理由を考察する。

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 1人目は、2013年11月号から『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載開始され、19年1月号に同社の『ジャンプSQ.』に移籍した『ワールドトリガー』(作:葦原大介)の三雲修だ。本作は、異世界への門が開かれた街が舞台。ボーダーと呼ばれる界境防衛機関が侵略者・ネイバーから街を守るストーリーである。

 三雲はボーダーに所属しており、トリガーと呼ばれる武器を使ってネイバーと戦う。しかし、彼はトリガーの使用に不可欠な生体エネルギー・トリオンが、ほかの隊員よりも少ない。さらに身体能力も低く、本人は実力不足を自覚したうえで、周囲を観察しながら戦術を練って戦っている。

 ボーダーにとってトリオン量が少ないことは致命的でありながら、玉狛第2の隊長を務める三雲はSNS上で「少ないトリオンを防御面に使って、チームの中で自分の役割を果たしていて好き」「弱いことを理解しつつも、決めたことは曲げない信念に好感が持てる」などと多くのファンから愛されている。

 2人目は『週刊少年マガジン』(講談社)で17年3月から連載開始された『東京卍リベンジャーズ』(作:和久井健)に登場する花垣武道だ。本作は武道が中学時代にタイムリープし、人生のリベンジに挑む物語である。彼は東京卍會のメンバーをはじめとする、多くの不良と対面するのだが、戦闘力の低さが目立つ。

 武道はヤンキー漫画の主人公にもかかわらずけんかが弱く、戦闘ではボコボコにされるシーンが多い。戦闘能力が低いキャラは頭脳でカバーすることもあるが、武道は深く考えずに行き当たりばったりの行動や泣き虫なため、さらに弱さを際立たせている。

 要領の悪い部分もあるが、彼女や仲間を守りたい気持ちは非常に強い。そのためSNS上では「どんな困難にも立ち向かっていく武道はかっこいい」「喧嘩で役に立たないけど諦めない心は好き」などと、武道の勇敢な精神面に魅力を感じているファンの声がみられる。

 最後に、「小説家になろう」(ヒナプロジェクト)にて12年4月から連載中の『Re:ゼロから始める異世界生活』(作:長月達平)のナツキ・スバルを紹介する。彼は突然、魔法を使う異世界に召喚された、戦闘能力がほぼ皆無の主人公だ。

 魔法や剣術で戦う世界において、彼に与えられた能力は死ぬと過去にタイムリープする「死に戻り」というもの。スバルは戦闘能力が低く無力なため、腸狩りの暗殺者・エルザに殺されたり精霊のパックに凍死させられたりして10回以上の死を繰り返している。

 タイムリープのルートによっては、非常に過酷な状況がスバルを苦しめる。それでも彼は運命に抗い続ける。「厳しい試練を乗り越えて精神的に成長するスバルがかっこいい」「スバルは弱音を吐くこともあるけど、情が深くて魅力的」などと、ネット上では弱くても愛おしいというファンの声が多いようだ。

 異世界で「死に戻り」能力を与えられたスバルは、苦痛を味わいながらも決してあきらめない。『Re:ゼロから始める異世界生活』はアニメ放送3期の製作が決まっており、弱くても挑み続けるスバルの活躍は今後も目が離せない。

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