残酷すぎるラストにハッピーエンド…バトル漫画に登場した不老不死キャラの壮絶な結末

生きていれば誰しも1度は憧れる不老不死。現実世界ではまだかなえられていない夢だが、漫画の世界では不老不死を実現させたキャラクターが存在している。本記事では、不老不死となったバトル漫画の登場人物から、永遠の命について考えよう。

3×3 EYES(著:高田裕三/講談社)
3×3 EYES(著:高田裕三/講談社)

命には限りがあるからこそ価値がある?

 生きていれば誰しも1度は憧れる不老不死。現実世界ではまだかなえられていない夢だが、漫画の世界では不老不死を実現させたキャラクターが存在している。本記事では、不老不死となったバトル漫画の登場人物から、永遠の命について考えよう。

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 最初に紹介するのは、1990年より週刊少年ジャンプ(集英社)で連載されていた『幽☆遊☆白書』(作:冨樫義博)に登場する戸愚呂兄弟の兄だ。元は人間だったが妖怪に転生した人物である。

 戸愚呂兄は肉体を自在に操る能力を使い、自身の体を刃物や針のように変形させて戦う。しかも、身体が粉々になっても復活できる驚異的な再生能力を持っている。妖怪になることで人間に比べて遥かに長い寿命も併せ持ち、ほとんど不老不死といえるだろう。

 主に活躍する暗黒武術会編では、コミックス12巻第102話「左京の提案!!」にて、自らの弟の一撃で、戸愚呂兄は粉々に砕かれ海まで吹き飛ばされて死んだと思われていた。しかし、コミックス13巻第113話「“領域”にようこそ!!」から始まる魔界の扉編で再登場を果たす。

 コミックス15巻第138話「正体は誰だ!?」で描かれる、主人公・幽助の仲間である蔵馬との対戦が、戸愚呂兄の最期となる。戸愚呂兄は蔵馬の策により、邪念樹という魔界の植物に捕らわれ、蔵馬を追いかける幻影を見せられながら生命力を吸われ続けることに。どれだけ生命力を吸われても持ち前の再生能力から戸愚呂兄は死ぬことがなく、邪念樹にとってのなくならないエサへと成り果ててしまう。

 戸愚呂兄は、不老不死であるため終わらない苦痛を永遠に与えられる最期を迎えた。

 次に紹介するのは、87年に『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載開始された『ジョジョの奇妙な冒険』(作:荒木飛呂彦)第2部に登場するカーズだ。主人公であるジョセフ・ジョースターの前に立ちふさがる最大の敵・カーズは、ジョセフたちと敵対する柱の一族を統率する天才だ。

 カーズは、自分の弱点である太陽の光を克服するために「エイジャの赤石」を手に入れ、寿命も弱点もない完全生命体となる。しかし、火山の力を利用したジョセフの攻撃によって、カーズは宇宙空間に吹き飛ばされてしまう。完全生命体であるカーズは、宇宙空間でも死ぬことはない。しかし、地球に戻る術がないことも悟り、最後には考えることを諦めて宇宙を漂うことしかできなくなった。

 天才と言われたカーズが、弱点の克服という念願を果たした先に待っていたのが、永遠の「無」の世界という結末には皮肉を感じずにはいられない。

 最後に紹介するのは、87年に『ヤングマガジン増刊海賊版』(講談社)で連載開始された『3×3 EYES』(作:高田裕三)の主人公・藤井八雲だ。額に第3の目がある三只目吽迦羅の少女・パイの術により、八雲は自身の魂をパイに預ける形で、不老不死となる。八雲はパイの「人間になりたい」という願いをかなえるため旅立ち、さまざまな敵と戦うストーリーだ。

 物語の最終局面、最大の敵である鬼眼王の力によって、世界中の人間の魂は集約されて巨大な闇になってしまう。世界を覆い尽くすように広がった闇を人間の魂に戻すため、八雲は自らが粉々になって世界中に拡散し、闇と融合する決断をする。身体が粉々になっても自分の意思を持ち続けられる不老不死だからこそ可能な作戦だ。

 ちなみに、決戦から数年後には粉々になった体は回復し、無事にパイや仲間たちと再会できており、最高のエンディングを迎えている。

 紹介した不老不死の3人から分かるように、誰もが幸せな最後を迎えるわけではない。3人の物語は命について我々に問いかけているのかもしれない。

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