住谷杏奈が実業家で成功した理由 夫・HGがケガで月収7000円に激減「生活できない状況に」

芸人・レイザーラモンHG(47)の妻でタレントの住谷杏奈(40)が、書籍『今日死んで、明日を生きる。』(イマジカインフォス刊、税込み1760円)を出版した。Z級アイドルから結婚を経て、専業主婦、さらに総売り上げ500億円の実業家になった住谷が自身の半生とノウハウをつづったもの。杏奈が説く、人生、成功に大事なものとは?

インタビューに応じた住谷杏奈【写真:山口比佐夫】
インタビューに応じた住谷杏奈【写真:山口比佐夫】

成功した理由を明かす「人のせいにしないこと」

 芸人・レイザーラモンHG(47)の妻でタレントの住谷杏奈(40)が、書籍『今日死んで、明日を生きる。』(イマジカインフォス刊、税込み1760円)を出版した。Z級アイドルから結婚を経て、専業主婦、さらに総売り上げ500億円の実業家になった住谷が自身の半生とノウハウをつづったもの。杏奈が説く、人生、成功に大事なものとは?(取材・文=平辻哲也)

 長男(15)と長女(12)を持つ2児の母で、プロデュースする商品の総販売数が1000万個、総売り上げが500億円を超える実業家の顔を持つ杏奈。現在はいくつかのブランドやサロンを経営し、1つのブランドだけで月約3億円の売り上げを誇る。

 本書は住谷が、生まれ変わるために実践したことをつづり、既存の女性像にとらわれず、現状を打破し、すべてを手に入れるマインドを作る方法を書いた。売れ行きは好調で重版も決定。東京・紀伊国屋書店新宿本店でもランキング1位を獲得した。

「今まで料理本やライフスタイル本を出していましたが、私のことを知らないと手に取ってもらえないと感じていました。身内や親しい友人からは悩み相談を受けることが多かったのですが、インスタなどでは内面的なことを公開していなかったので、読み物として出版してみたいと密かに思い描いていました」

 アイドルをしながらも、「いつか専業主婦になりたい」との憧れを持っていた杏奈。それが実業家の道を歩み始めたのは、レイザーラモンHGのけががきっかけだった。2009年7月に『ハッスル』興行で左足かかとを粉砕骨折する大けがをし、完治まで約8か月かかった。

「月収7000円まで落ち込んでしまい、何か行動しなければ生活ができない状況でした。15年以上前にブログを始めた経験がビジネスにつながると感じ、物を作って、ネット通販を始めました。化粧品の製造先を探して、小ロットで生産できる工場を探すところから始め、サンプル作りなども含め、半年くらいの間で進めていきました」

 商品にも、販売戦略にも勝算があった。

「ブログを毎日見に来てくれている人がいたので、その1%の人が買っていただければ、完売できるなという数を作ったんです。発売を開始してから、数分で売り切れたので、これで『完売』という肩書きが得られたな、と」

成功の裏で閉店やギャラ未払いの被害なども経験

 この成功体験が次へつながっていき、数々のヒット商品を生み出した。一方、大きな失敗も経験している。14年8月に代官山に出店したピザ屋「アンティーナ」だ。コンセプトは子連れのママが楽しめる店。キッズスペースやおむつ替えスペース、さらにはロッククライミングまであって、子どももママも楽しめる。これまではプロデュースという形で関わってきたが、自身が全額出資し、インテリアから食器まで細部に渡ってこだわった。

「商品プロデュースの仕事は、大元の会社があるので、やれることには限りがあるんです。収支が合わないと言われたり、もう少し売れてからにしようとか。そういうことがイヤだったんです。自分のお金なら、完璧でなくても好きなことができると思ったんです」

 しかし、現実は甘くない。収支度外視の経営によって、約1億円の大赤字に。19年に閉店を余儀なくされた。

「そのときはピザ屋の仕事に専念していて、他の仕事が手につかなかった。飲食業のことは無知だったので、新品のコーヒーマシンや冷蔵庫、ピザ釜などを定価で購入しましたが、処分した時は、期待していたよりもはるかに安い価格でしか売れませんでした。本当に二束三文でしたね。そういう細かいところも勉強になりました」

 見切りをつけるのには時間がかかったが、閉店後は好転していく。

「その事業をやめた途端、新しい仕事の依頼が増え、それをこなせるようになりました。私のテーマは『捨てる』ということです。過去のものを捨てることで新しいものを受け入れるスペースができると感じています。物などは再度購入すれば良いと考えるようになりました。人間ギリギリまで行くと、再生する力が湧き出てくるんですよ」

 その昔には3000万円のギャラの未払いに遭ったこともあった。

「そのときも、裁判をすれば100%お金を取り返せると弁護士さんに言われていましたが、1分1秒たりとも相手の会社のことを考えるのがイヤだったんです。だからもうその3000万円は捨てたと思って、明日から別の仕事をもっと頑張ろう! と思った瞬間があったんです。そういう風にマインドチェンジしたら、何倍もの仕事が舞い込んで来たこともありました」

 杏奈が強く勧めたいのは、捨てること。下着は新年を迎えるに当たって、古いものを捨て、新調するという事を毎年習慣にしているそう。

「捨てることで、物や人間関係に執着しないようになりました。特に、不要なものを捨てることで、運気が良くなると感じています。人も同じように、執着すると束縛されると感じます。私は今、多くの人に自分の考えや経験を伝えたいと思っています。人のせいにしないこと、自分の運命を自分で決めることの大切さを伝えたいと思っています」と杏奈。今後は講演などもやっていきたいと意欲的だ。

□住谷杏奈(すみたに・あんな)1983年2月1日生まれ。小学生の頃から芸能活動をはじめ、2006年にお笑いタレント・レイザーラモンHGと結婚、08年に男児、11年に女児を出産する。夫のケガを機に商品開発をはじめ、実業家としての才能を開花させ、美容の知識を活かしたプロデュース商品で次々とヒットを生み出す。今までにプロデュースした商品の総販売数は約1000万個を数える。

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