元AKB48増田有華、主演映画で濡れ場、歌唱挑戦 超過密撮影に「記憶ほとんどない」

元AKB48の俳優・増田有華(32)が映画『Love song』(10月20日より東京・池袋シネマ・ロサで公開、監督・児玉宜久)に主演した。売り出し中のシンガー、花が暴力団とのトラブルに巻き込まれ、逃亡を繰り広げる犯罪アクション。撮影現場は『奇々怪々斬新だった』というが、そのワケは?

インタビューに応じた増田有華【写真:舛元清香】
インタビューに応じた増田有華【写真:舛元清香】

映画『Love song』で主演

 元AKB48の俳優・増田有華(32)が映画『Love song』(10月20日より東京・池袋シネマ・ロサで公開、監督・児玉宜久)に主演した。売り出し中のシンガー、花が暴力団とのトラブルに巻き込まれ、逃亡を繰り広げる犯罪アクション。撮影現場は「奇々怪々斬新だった」というが、そのワケは?(取材・文=平辻哲也)

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 AKB48を卒業後、映画、ドラマ、舞台で俳優として活躍中の増田。主演はオーディションで決まり、その1か月半後には撮影というスピードスケジュールだった。

「オーディションというよりはただ1時間、人としゃべるような形でした。後は他の女優さんたちも待っていたので、決まらないかもと思って、近くの居酒屋で飲んで帰りました。力の抜けた感じが良かったのかもしれません」と笑う。

 売り出し中のシンガーである花は、マネージャーがヤクザから覚醒剤をだまし取り、殺害されるという危機的状況に直面し、幼なじみの誠(木口健太)に助けられる。銃を持ってのシーン、ライブでの歌唱シーン、濡れ場もあって、盛りだくさんだ。

「ナイフや銃、薬物が出てくる厳しい環境が描かれていました。しかし、花を始め他の登場人物たちは真面目で、ひたむきに愛を求めて生きている人たちでした。花は特に気が強く、不器用に見えますが、非常に純粋で真っすぐな女の子だと感じました」

 役作りでは、そのキャラクターが0歳からその年齢に至るまでの家族構成や出会いなどをノートに書くのがルーティン。

「花は子どもの頃から変わっていない、真っすぐな成長をしていると感じました。周りの人たちに助けられ、末っ子気質な部分も感じられました。花は嘘をつけない、真っすぐな部分があって、そこは似ていると思います。特に木口さん演じる誠に何度も止められますが、それでも突き進む姿勢は私自身にもあると思います」

 現場は「奇々怪々斬新」と振り返っているが、「撮影期間が非常に短かったのです。それに加え、普通ならテスト撮影やカメラリハーサルが何回か行われるのですが、監督は非常にスピード感があり、1分、2分で終わるようなシーンもあったりと非常に特異な現場でした。撮影中の記憶はほとんどなくて、忘れないように家に帰ってから日記に書いたのは覚えています。セリフ量も半端なかったです」

 監督の児玉は石原プロで『西部警察』『もっとあぶない刑事』『ゴリラ警視庁捜査第8班』などの作品で助監督として下積みを重ね、1993年に自らの企画脚本作品で監督デビューし、2時間ドラマでは手堅い演出を手掛けるベテラン。

「監督とは意思疎通がしっかりとれていました。現場でセリフの変更や足し算を提案したら、すぐに『じゃあ、そうしてみよう』という形で対応してくれました。それが非常に心地よく、演じる意味を強く感じられました」

 劇中ではバーでのライブシーンも大きな見せ場だ。事前に歌詞をもらい、風呂場で練習。実際のバーでマイクを使って歌ったり、音響調整などができない状況での一発勝負だった。

「通常ならレコーディングでエコー調整などができるのですが、今回はそのようなことがありませんでした。ある意味貴重な経験でした。アフレコなどは一切行っていません。音は現場でとったものをそのまま使用しています。このような手法は、私自身が初めて経験するものでしたが、非常に生っぽく、新鮮な感じがしました」

『Love song』はどんな作品になったのか。

「オーディションから撮影まで短い期間でしたが、児玉監督がとても信頼してくれ、自分でやりたいことを全部この作品に反映できたと感じています。30代になって初めてのラブストーリーで、自分自身も変化を感じたので、その部分も楽しんでいただければと思います。無理なくおしゃべりできることを取り入れ、ナチュラルにお芝居できたと感じています。ベッドの上で誠と本音を話すシーンは大好きです。歌も生で撮ったので、その部分も見どころだと思います」と自信を見せた。

□増田有華(ますだ・ゆか)1991年、大阪府生まれ。2006年、AKB48の2期生としてデビュー、12年、卒業。宮本亜門演出ミュージカル『ウィズ~オズの魔法使い~』の主演ドロシー役で 一躍注目を集め、テレビドラマ『リミット』(テレビ東京)、『野田ともうします』(NHK Eテレ)、 朗読劇『私の頭の中の消しゴム 7th/10th』、舞台『タンブリング FINAL』、ミュージカル『ファウスト~最後の聖戦~』、映画『呪報 2405 ~私が死ぬ理由~』、オフブロードウェイミューシカル『bare』アイウィ役、ミュージカル『EDGES』など、多方面で活躍中。21年のNetflix作品『全裸監督2』では江戸川ローマ役を演じて注目を集めた。

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