向井理「父親は今でも僕のヒーロー」 忘れられない“1階と7階でキャッチボールした”思い出

フジテレビ系連続ドラマ『パリピ孔明』(27日スタート、水曜午後10時)に主演する俳優の向井理(41)。演じるのは、現代の渋谷に転生した中国三国時代の名軍師・諸葛孔明。向井にとって、ヒーローとは?

口ひげは撮影途中から自前で伸ばしている向井理【写真:長谷英史】
口ひげは撮影途中から自前で伸ばしている向井理【写真:長谷英史】

『パリピ孔明』主演の向井理インタビュー「ドラマの設定には興味を持ちました」

 フジテレビ系連続ドラマ『パリピ孔明』(27日スタート、水曜午後10時)に主演する俳優の向井理(41)。演じるのは、現代の渋谷に転生した中国三国時代の名軍師・諸葛孔明。向井にとって、ヒーローとは?(取材・文=平辻哲也)

 中国の3世紀を舞台に、「魏」「呉」「蜀」の三つの国が天下の覇権争いを繰り広げる『三国志』は人気歴史ものだ。向井も少年時代から横山光輝のコミック版で親しんできたという。

「兄が読んでいたのをよく覚えています。登場人物の名前やビジュアルは大体知っています。もともと好きだったので、ドラマの設定には興味を持ちました。ただ、正直に言うと、原作を超えるマニアックな部分も多く、何を言っているのかわからない瞬間もありました(笑)。(共演の)森山未來君が一番詳しく、セリフの意味なども教えてもらいながら楽しく撮影しました」

 諸葛孔明は、魔法のような作戦を考えて、次々と敵を倒し、数多くの功績を残してきた天才軍師。史実では西暦234年に病死するが、なぜかハロウイーンで賑わう現代の渋谷に若き姿のまま転生してしまうという奇想天外な設定。2メートル超えの派手な衣装も、仮装で賑わう街では目立たないというわけだ。

「似ている部分はあんまりないですね。ただ、冷静に物事を見る点は少し似ているかもしれません。計略を立てる時は、環境や状況をしっかり見極めることが大切ですよね。演じている時にも、どう表現すると伝わるか、何がベストかということを常に考えています。それに、作品制作に関してのアイデアを出す時など、少し軍師のような計略を立てる感じはあります」

 演じる上で大切にしてきたのは、嘘をつかないこと、時代ギャップから生まれる違和感をどう見せるか。

「衣装やメイクは非常に重要でしたが、違和感を出すためにしゃべり方やセリフのトーンなどを細かく設定していきました。それを普通のこととして振る舞うことで、そのギャップが面白くなると感じています。ただ、毎回のさじ加減が難しいところです」

 口ひげも撮影途中から自前で伸ばしてきた。

「最初は他の作品との兼ね合いで口ひげを伸ばすことができなかったんですが、最初から自前の口ひげでやりたいと思っていて、他の作品が終わったところで口ひげを伸ばし始めました。計略や説明などの長いセリフが多いので、自前の口ひげでやれるのはストレスがなくて、いいんです」

 諸葛孔明は、特に男性から人気の高い歴史上の偉人だが、向井は「人としての側面を大切にしたい」と語る。「彼の説得力や信念、人間としての強さを通じて、視聴者に何か感じ取ってもらえたら嬉しいです。私自身も、孔明のように誠実に生きることの大切さを感じています」

 向井にとってのヒーローとは?

「諸葛孔明以外なら、父親を思い出しますね。子どもの頃はマンションの7階に住んでいたんです。僕が7階から地面にボールを投げると、父は1階から7階までボールを投げ返してくれました。車を運転する姿もかっこよかったですね。今では僕の方が身長も高くなったし、車も運転できるようになりましたが、その頃の父の強さや優しさは忘れられません。僕にとって、父は今でもヒーローです」と話してくれた。

□向井理(むかい・おさむ)1982年2月7日生まれ、神奈川県出身。2011年に『僕たちは世界を変えることができない。』で映画初主演を務める。その他にも『信長協奏曲』『RANMARU神の舌を持つ男』(16)、『いつまた、君と何日君再来』(17)、『君が君で君だ』(18)、『ザ・ファブル』(19)、『着飾る恋には理由があって』(21/TBS)、『華麗なる一族』(21/WOWOW)、『はるヲうるひと』(21)、『警部補ダイマジン』(23/テレビ朝日系)など数々の話題作に出演。

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