アフリカにひろゆき氏を置き去り、困らせるABEMA新番組 「困ったか」を本人に聞いてみた

「2ちゃんねる」の創業者として知られるひろゆき氏(西村博之)が、ABEMAの新番組『世界の果てに、ひろゆき置いてきた』(#1、#2はABEMAで無料配信中、#3は19日午後9時放送)でアフリカ・ナミビアの砂漠に放置されるという前代未聞の挑戦を行った。10万円を手渡され、陸路のみでゴールを目指すという過酷な企画の裏側を語った。

インタビューに応じたひろゆき氏【写真:山口比佐夫】
インタビューに応じたひろゆき氏【写真:山口比佐夫】

人生で一番困ったこと「大学生のとき…」

「2ちゃんねる」の創業者として知られるひろゆき氏(西村博之)が、ABEMAの新番組『世界の果てに、ひろゆき置いてきた』(#1、#2はABEMAで無料配信中、#3は19日午後9時放送)でアフリカ・ナミビアの砂漠に放置されるという前代未聞の挑戦を行った。10万円を手渡され、陸路のみでゴールを目指すという過酷な企画の裏側を語った。(取材・文=平辻哲也)

 番組を企画プロデュースしたのは、YouTubeチャンネル『ReHacQ』でもタッグを組んだ高橋弘樹氏。「視聴者が見たいのはひろゆきの困った顔」をコンセプトに、ひろゆき氏をアフリカに放置することからスタートする。

「プロデューサーの悪意のもとに始まっている企画だな、と。僕は全然大丈夫だったんですけど、他の人たちが騙されている感じがしました。一番困ったのは、同行ディレクターが積極的にトラブルを起こしたこと。そういうのは本当にやめてほしいと思いました」といきなり苦言を呈する。

 旅の日数は最初から決まっていたが、ルートが決まったのはナミビアに到着してから。

「要は、ゴール地点をどこにするかの会議がナミビアに着いてから始まったんです。とてもひどい状況でしたが、それも含めて頭のおかしい面白さがありました。プロデューサーの高橋さんは行き当たりばったりの人なんですよ。でも、『スマホがあればどこでも生きていける』っていうのが僕の持論で、実際、困ることはほとんどなかったです」

 食事は「贅沢するな、メシがまずくなる」をモットー。つまり、舌を肥やしてしまうと、その分、おいしさが感じられなくなるというわけだ。

「僕はどこのご飯でもおいしく食べられます。当初の予定では体重が減るはずだったんですけど、結局、少し増えて帰ってきました。途中から合流するゲストが食事の量が多かったので、その影響もあったんでしょう。水に関しても問題はありませんでした。マラウイの湖で泳いでも寄生虫の問題はなく、食あたりや病気になることもありませんでした」

人生で一番困ったことについて語ったひろゆき氏【写真:山口比佐夫】
人生で一番困ったことについて語ったひろゆき氏【写真:山口比佐夫】

 すでに世界50か国以上を旅してきた、ひろゆき氏にはアフリカの人々の暮らしはどう映ったのか。

「マラウイは世界最貧国とされていますが、現地の人々が不幸に見えるわけではないんです。貨幣経済とは別の生活基盤があるから、お金に依存しなくても暮らしていけるんです。アフリカの人たちは、何かを手に入れるとすぐに共有します。食事の状況も、誰かが食事を得たら、周りの人々と共有する文化があるんです。一方、欧米の資本主義は独占することで産業を発展させています。ただ、どちらが正しいかは一概には言えませんが、アフリカが経済的に発展しない一因として、この共有文化があると感じました」

 企画意図に反して、まったく困った様子がないが、人生で一番困ったことは何か。

「大学生のとき、友達がビール瓶を歯で開けているのを真似したら、歯が欠けてしまいました。他人ができるからと言って自分もできるとは限らないと痛感しました。本当に後悔しましたね。歯は一度欠けてしまうと、戻らない。まあ、それくらいですね」

 目下、パリを拠点にして、仕事で東京を行き来する生活を送っている。

「世界中どこでも変わらないと思いますよ。彼女(妻)が『パリがいい』と言っているから、住んでいるだけ。僕は基本的に部屋にこもっていますしね。ただ、ドアを開ければ、海外だなと感じます。そういう意味では、暇つぶしの散歩が楽しい。パリに住んで、だいぶ経ちますけど、エッフェル塔にはいまだ登ったことがありません」

 番組の視聴者に向けては、「海外旅行はお金がかかると思われがちですが、それほどの費用をかけずに十分楽しむことができます。映像を見て、実際に自分で経験することで得られる感覚の違いを感じてもらいたいですね。特に若者たちはあまり海外に興味を示さないようですが、実際に行ってみると新しい発見があると思います」と話す。

 ちなみに、土産で買ってきたのは島の特産品のシナモン。「とても安くて100円ほどで、たくさん手に入れることができました。僕はDMM(創業者)の亀山(敬司)さんと似た生活スタイルをしています。贅沢にはそれほど興味がないので、大きな出費はありません」

 起業家の中には、宇宙へ目を向ける人もいるが、「宇宙遊泳ができるのであれば興味はありますが、無重力を体験するだけなら、名古屋で20~30万円払って体験できます。4Kの映像と僕の目の状態では、実際の景色とあまり変わらない。ただ、オーロラを見るのは興味があります。だいたいやりたいことはすで実践してしまったので、『ファイナルファンタジー16』をやるくらいですね」。アフリカへの旅については「マラウイにはまた行きたいですね。番組の企画で行けたら、旅費が助かりますから」とひろゆき氏。困ってしまったのは、ひろゆき氏よりも、番組サイドの方かもしれない。

 番組は全9回。12日の初回放送以降、毎週土曜日と日曜日の午後9時に最新回を配信する。

□ひろゆき 本名:西村博之、1976年東京都北区赤羽生まれ。中央大学進学後、アーカンソー州で留学。1999年に「2ちゃんねる」を開設し、2005年には「ニコニコ動画」の運営会社、ニワンゴの取締役に。2009年に「2ちゃんねる」を譲渡し、2015年には英語圏最大の掲示板「4chan」の管理を担当。2019年に新SNS「ペンギン村」を立ち上げ、2021年には自身のYouTubeチャンネルでの切り抜き動画が大人気となり、月間再生回数3億回を記録。著書に『論破力』『1%の努力』『世の中の真実』『ひろゆきのシン・未来予測』など。

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