マスク着用ルールを無視した大型スーパーの買い物客が、従業員に追い出されるところを撮影した動画が、米国で議論の的となっている。反抗的な買い物客は、対応した店の従業員とのやり取りを自ら撮影して投稿。「マスクを着用しない権利がある」などと主張する一方で、従業員がSNS上で称賛されており、物議をかもしている。

　米メディア「フォックスニュース」によると、スーパーの会員である買い物客は、店のマスク着用のルールを無視したようで、従業員にマスクを着用していないことを指摘された。その客は動画の撮影を始め、従業員に、動画を自身のSNSに投稿し、「大半が地元民」であるという「フォロワー3000人のインスタグラムのフィードに表示される」と伝えた。しかしながら、客と従業員の“対決”は、その客が予想する展開にはならなかったようだ。

　その動画では、従業員が客のカメラに向かって、その客だけでなく、動画を見るかもしれないSNSのフォロワーにも向けて話しかけた。「みなさん、私はここで働いています。この会員さんにマスクを着用するようにお願いしました。それが会社の方針だからです」と語った。これに対し、客は「そうしていないのは、ここが自由の国だからだ」と反応した。
　
　2人のやりとりは続く。従業員が「良い1日を」と話すと、客は「そのカートを取り上げるのか?」。従業員は重ねて、「良い1日を。もうこの店に来ないでください。帰ってください。ありがとうございます」。その客は一緒にいた女性に買い物を済ませてもらうと言ったが、従業員が去っていく中、軽蔑的な言葉を発した。

　客はネットサイト「Reddit」に動画を投稿し、後に削除した。ただ、問題の動画はほかのSNSアカウントで再投稿され、拡散した。

　これで終わらない。客は最初の動画を削除したにも関わらず、その後に別の動画を投稿し、「マスクを着用しない権利がある」と主張を始めたのだ。「ほかの全員がマスクを着用しているなら、1人はしなくてもいいはずだ」と言い張り、その店でマスクを着用していなかったのは彼だけであり、それを自身の行動を擁護する理由に挙げた。

　一方で、SNS上には反響が寄せられている。「店、レストラン、そのほかのサービス業界で働いている従業員の方たちに神の恵みを。彼らはただ自分たちの仕事をし、私たちを守ってくれている」、「この脅した男に立ち向かってくれてありがとう!」、「“自由”とは私有地で好き勝手にできる権利ではないとみなが分かっていればいいのに」、「自由には他人の命を危険にさらす権利はないよ」とコメントが相次いでいる。

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