3日目が日曜日だったので、一挙に50個近くに増やしてみた。すると、これも夕方までに完売。それで火が点いた。

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「売り切れた後も買いに来るお客さんが多く、需要の多い土・日に倍の100個近く作ったんですよ。そしたら、これも閉店を待たずに完売。驚きました」

　1個300円のお手頃価格と、新鮮な旬の地魚を使っていることが人気を呼んだのだろう。ちなみに、300円でも利益はちゃんとある。
　
　魚の種類はその日の買い付けによって変わる。今の季節はムツのほか、タチウオ、スズキが多く、香ばしい揚げたて肉厚のフライがパンからはみ出るほど。かぶりつくと、衣はサクッ、身はフワッとしてジューシー。味付けはソースかマヨネーズとシンプルで、魚のうまさが際立つ。

　いまでは、「ほかでは味わえないおいしさ」「1個300円は年金生活者にはうれしい」「ボリュームもあり、育ち盛りの子供のおやつに」、また「宅飲みビールのお伴にイケルんだよ」と評判が定着。

　ちなみに、1個300円でもちゃんと利益はある。相乗効果で、ほかのテイクアウト総菜も売れ行き好調になり、店全体の利益はコロナ前に劣らない程度の利益を出せている。

「相模湾の魚をおいしく食べてもらって、コロナで落ち込むみんなの健康や、また地元の漁業者の応援になればという思いで頑張っています」

　寒河江さんはきょうも早朝から漁港をまわり、魚の目利きに余念がない。

☆魚屋食堂「さがみ湾」
テイクアウトメニューはほかにアジ、タコ、イシガキダイ、カレイなど地魚の刺身、フライ、煮つけなどが300円前後~とお手頃。店内メニューは地魚天丼650円(小盛刺身付き1000円)など。神奈川県横須賀市ハイランド4-3-8/電話046・848・1426　午前11時~午後7時　不定休　交通=京急久里浜駅からバス・中央公園下車徒歩2分