優先エレベーターで「譲って」無視され無理やり乗り込み ベビーカーの母親に聞いた投稿の真意

ベビーカーや車いす利用者が優先エレベーターに乗れないという事案がSNS上で相次いで議論となっている。ネット上では今月1日、ベビーカーで訪れた週末の大阪・梅田で、エレベーターを譲ってもらえるよう頼んだものの無視され、無理やり乗り込んだという母親の投稿が話題に。「賛否両論あると思いますが、同じように困っているベビーカーや車椅子利用者のための啓発になれば」と語る当事者の母親に、投稿に込めた意図を聞いた。

優先エレベーターでのベビーカー利用を巡る投稿が話題に(写真はイメージ)【写真:写真AC】
優先エレベーターでのベビーカー利用を巡る投稿が話題に(写真はイメージ)【写真:写真AC】

譲ってもらえるよう頼んだものの無視され、無理やり乗り込んだという母親の投稿が話題に

 ベビーカーや車いす利用者が優先エレベーターに乗れないという事案がSNS上で相次いで議論となっている。ネット上では今月1日、ベビーカーで訪れた週末の大阪・梅田で、エレベーターを譲ってもらえるよう頼んだものの無視され、無理やり乗り込んだという母親の投稿が話題に。「賛否両論あると思いますが、同じように困っているベビーカーや車椅子利用者のための啓発になれば」と語る当事者の母親に、投稿に込めた意図を聞いた。

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「梅田人多すぎた エレベーター乗れなさすぎてブチギレおかんになってしもた 『私らこれしか手段ないんで代わってもらえませんか?』って聞いてもガン無視でドア閉められかけたからボタン連打してドアこじ開けて『誰も降りてくれはらへんなら乗るんで詰めてください』って無理やり乗った…疲れた」

 今月1日、優先エレベーターを巡る問題について一石を投じた投稿は500件を超えるリツイート、5000件以上のいいねを集めるなど話題に。続く投稿では「てかまじでみんな『優先』の文字見えてんのかな!? 私らの後にもベビーカーの人が乗れなくて諦めかけてたからすかさず『このエレベーター優先ですよ! 降りれる人降りたげてください!』って言うたのにまたしてもガン無視」「目の前にエスカレーターあんのに元気な人がそこまでしてエレベーターにこだわる意味ってなに」と疑問を投げかけている。

 投稿者はその後、当時の状況について「まず、ブチギレと書きましたが内心ブチギレてただけで言い方は気をつけてます。詰めてもらった後も『すみません、ありがとうございます…もう3回見送ってて…』と言いました、それも無視されたけど」「あと、優先されるべき人が他に乗ってた可能性について。あくまで私の主観ですが皆さん元気そうな若者でした エレベーターの中では気まずそうにしてはりましたが降りた瞬間スタスタキャハキャハ元気に歩いてはったので 中にはそういう方もいたかもしれませんが全員がそうである可能性は低いかと…」と補足。

「今回の私の反省点としてはざっくり言うと『リサーチ不足』です。土曜の梅田がこんなに人で溢れていると知らず、またエレベーターがここまで乗れないとは知らず呑気にベビーカーで来てしまったことが間違いでした…娘が歩けるようになるまではしばらく梅田はやめとこって反省してます」とつづっている。

 投稿者はENCOUNTの取材に「土曜日のお昼に母と娘を連れてベビーカーで梅田へ遊びに行きました。デパート内のレストランの順番待ちをしている間に娘がグズり出したため、私は娘の気分転換になると思い中間階まで行き時間をつぶしておりました。母から店に入れたと連絡が来たためレストランがある階へ行こうと優先エレベーターの順番待ちをしていましたが、待てど暮らせどエレベーターが来ず、来たと思えば満員で見送るしかありませんでした」とあらためて当時の状況を説明。

 優先エレベーターに乗っているのは若い人ばかりで、誰も降りるどころかこちらに目もくれずといった様子だったといい、また中間階だったため上の階にも下の階にも行けなかったという。3回ほど優先エレベーター見送ったあたりで「これは譲ってほしい意思をハッキリ表示しないといつまでたっても乗れないだろう」と思い、勇気を出して「すみません、私たちこれ(エレベーター)しか移動手段がないのでどなたか譲ってくれませんか? もう3回見送ってて」と声をかけるも、エレベーター内の乗客は無視。ドアを閉めようとされたため、上行きのボタンを連打し「誰も譲ってくれないならせめて詰めてくれませんか?」と半ば強引にエレベーターに乗り込んだという。

「結果的に定員オーバーにもならず無事に乗ることができましたが、かなりの時間エレベーターの前で待っていた気がします。ご飯を食べた帰りも優先エレベーターは元気そうな若者ばかりで満員で、中間階でドアが開いた時にベビーカーの方が待っているのが見えたので『誰か譲ってあげていただけませんか?』と言いましたが、再び無視され誰も降りませんでした。私が『じゃあ奥に詰めましょ! きっとベビーカー乗れるんで!』と言い、ベビーカーの方を無事乗せることができました。声を上げなければ目の前の人が私みたいな思いをすると思ったら、声を上げずにいられませんでした」

 一連の投稿を巡っては「最初はただ何となく『今日こんなことがあって疲れたよ』という気持ちで投稿しましたが、共感する旨のリプライや引用リツイートが寄せられ、私のような思いをして困った経験のある方がこんなにたくさんいるんだと知りました」。中には「ベビーカーで梅田に来ることが間違っている」「抱っこひもで来るべき」等の意見もあったといい、「それは確かにそうだったなと反省しました。しかし反省する私に『そもそもベビーカーというだけで行く場所が限られるというのはおかしな話だ』と擁護してくださる方もいらっしゃり、確かにベビーカーや車椅子だからといっておでかけする地域が限られるというのも少し寂しい気がするなと思いました」と反響を語る。

「今は少子化が進み、子連れがマイノリティーな世の中だと思います。だからどうしても肩身の狭い思いをする場面が多いです。私は決して『ベビーカーだから譲られて当然』という気持ちでいるわけではありません。でも、対ベビーカーに限らず、みんながもう少し他人に興味を持ち、思いやりの心を持って過ごせたらいいなと思いました」と投稿者。今回の投稿が、あらためて優先エレベーター問題の啓発となることを願っている。

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