エヴァ『セル画展』、“舞台裏”ギャラリートークが盛り上がる “蔵出しアイテム”数千点のチャリティー販売も

『新世紀エヴァンゲリオン セル画展 ギャラリートーク』が2日、東京・有楽町マルイで行われた。アニメや特撮映像に関わる資料の収集・保管・研究を担う『認定NPO法人アニメ特撮アーカイブ機構(ATAC)』(庵野秀明理事長)のメンバーが参加。三好寛氏(ATAC事務局長/カラー文化事業担当学芸員)、辻壮一氏(ATAC研究員)、神村靖宏氏(グラウンドワークス代表取締役)に加え、著述家の風間洋(河原よしえ)氏の4人が、熱いトークを展開した。

『新世紀エヴァンゲリオン セル画展 ギャラリートーク』が行われた【写真:ENCOUNT編集部】
『新世紀エヴァンゲリオン セル画展 ギャラリートーク』が行われた【写真:ENCOUNT編集部】

庵野秀明氏が理事長を務める『認定NPO法人アニメ特撮アーカイブ機構』が保存している貴重資料の数々

『新世紀エヴァンゲリオン セル画展 ギャラリートーク』が2日、東京・有楽町マルイで行われた。アニメや特撮映像に関わる資料の収集・保管・研究を担う『認定NPO法人アニメ特撮アーカイブ機構(ATAC)』(庵野秀明理事長)のメンバーが参加。三好寛氏(ATAC事務局長/カラー文化事業担当学芸員)、辻壮一氏(ATAC研究員)、神村靖宏氏(グラウンドワークス代表取締役)に加え、著述家の風間洋(河原よしえ)氏の4人が、熱いトークを展開した。

 今回、有楽町マルイ8階SPACE1・2で、『エヴァンゲリオン感謝祭』(7月9日まで)が実施されている。注目を集めているのが、チャリティーイベント。エヴァンゲリオン関連会社の長期保管品をチャリティー販売し、売り上げの一部をアニメ・特撮の文化を後世に伝える資料保全活動に寄付するという内容だ。“蔵出しアイテム”は数千点を予定。多くはすでに販売が終了しており、現在では入手困難で、通常販売に回らない非売品やサンプル品も含まれているという。

 セル画展も激アツだ。ATACで保存している『新世紀エヴァンゲリオン』のセル画や原画など貴重な資料を公開。綾波レイ、惣流・アスカ・ラングレー、葛城ミサト、渚カヲルら登場キャラクターの希少な描写はファン必見だ。他には、セル画トレスマシン体験会を開催。展示パネルなどを通して、ATACの活動の一部に触れることができるスペシャルな企画だ。

 約50人のファンら聴講者が熱心に聞き入ったトークイベント。セル画など中間制作物の説明に始まり、アニメーション制作の裏側といった“密度の濃い”エピソードが盛りだくさんとなった。

 辻氏と風間氏がセル画の制作手法について、現場のリアルな作業の様子を明かした。時間をオーバーしてどんどん盛り上がる。神村氏が、庵野氏がエヴァンゲリオンの制作時に背景にも細部にこだわったというこぼれ話を披露した。質疑応答のコーナーも。セル画を仕上げる際に作り手側が感じるエヴァンゲリオンのキャラの「難易度」について質問が飛ぶと、神村氏は「一般論として、色数が多い少ないで、キャラによって楽ちんだな、難しいなという感覚はあると思います」と話した。紫は塗りづらい色だといい、辻氏は「初号機の方が大変だと思う」と付け加えた。

 自分でセル画を作っているという聴講者から、失敗した時の修正方法について聞かれると、風間氏は竹べらを使うなどの実用的なアドバイスを送った。三好氏はATACの活動について、「セル画などの中間制作物をちゃんと残して、いろいろな機会を通して皆さんに見てもらおうという思いを持って活動しています。きょうでセル画のことを少し分かっていただけたのかなと思いますので、周りの方にも広めていただければ。アニメを少しでも好きになっていただければうれしいです」と言及。保存・研究にさらに尽力することを誓った。

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