「これはいい案」 警視庁が紹介した“迷子対策”、災害時の備えにも有効 意図を聞いた

夏の季節が本格化して家族で外出する機会が増える中で、親世代に向けた子どもの迷子対策を紹介するツイートが話題を集めた。緊急時でも服装や髪型などの記憶を喚起できるように、子どもの写真をあらかじめ撮影しておくというものだ。警視庁警備部災害対策課に投稿意図を聞いた。

警視庁警備部災害対策課のツイートで紹介された迷子対策が反響を呼んだ(写真はイメージ)【写真:写真AC】
警視庁警備部災害対策課のツイートで紹介された迷子対策が反響を呼んだ(写真はイメージ)【写真:写真AC】

パニックになった親に接したことがきっかけ 「元々、交番勤務をしていた頃に考えていたものです」

 夏の季節が本格化して家族で外出する機会が増える中で、親世代に向けた子どもの迷子対策を紹介するツイートが話題を集めた。緊急時でも服装や髪型などの記憶を喚起できるように、子どもの写真をあらかじめ撮影しておくというものだ。警視庁警備部災害対策課に投稿意図を聞いた。

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「私は家族で遊園地などに出かける時、子供の写真を撮ってから出かけています。迷子になってしまった時に当日の服装などをすぐに思い出せるからです。兄弟でお揃いの服だとなおわかりやすくなります。災害発生時などは、特にお子さんから目を離さず、避難する前には写真を一枚撮っておくと安心です」。

 要点をまとめてつづった投稿は現在、3.6万件以上のリツイートを記録。ネット上では「とても大切なことですね。我が家も同様にします」「確かに、人の記憶は曖昧なのでこれは良いと思いました」「なるほどー これはいい案ですねー」「目からうろこ。これ大事かも」「成長の記録にもなって良いですね」などのコメントが寄せられている。

 この迷子対策は交番勤務の経験のある担当者が発案。「人の記憶は曖昧で、写真を見れば一目瞭然というところからの発想です。元々、交番勤務をしていた頃に考えていたものです。迷子の取り扱い時にご家族からお子さんの特徴を聴取するのですが、子どもを見失いパニックになった親御さんは子どもの服装を正確に覚えていない、あるいは思い出せないことがほとんどです。その際、当日の写真があれば何よりも有効であると感じ、自身も幼い子を持つ親として万が一に備えるようになりました」と明かした。

 スマートフォンのカメラ機能を「家族全員の安全安心を高めるツールの1つ」として普段から活用するという、生活の知恵。通報時、警察官や施設の係員に対して、正確に迅速に伝えるための資料として活用できるという利点も。「災害対策課員として勤務する今、普段していることが災害発生時にも生かせると思い、発信しました」と説明する。

 投稿は、子育て経験のあるユーザーを中心に、反響を呼んだ。「このように大きな反響があったことに、とても驚いています。コメントには『高齢の家族にも使える』などといったものもあり、まさにその通りであると思います。私が気づかなかった部分や伝え切れていない部分を補ってもらえていると感じます。ぜひ、たくさんの方からのコメントも読んでいただきたいと思います。参考になる情報がたくさんあります」と、受け止めについて言及する。

「子どもは、親が想像しない行動をします」 普段からの備えが大事

 今回の子どもの写真を事前に撮っておく迷子対策は、災害時や不測の事態の備えに役立つ内容であるとも言える。子どもたちを守るためのメッセージにも回答を寄せた。

 まず、「災害時は、自宅から避難場所等への避難や、出先での被災による一時避難などが考えられると思いますが、普段以上に慌ててしまい服装などを思い出す心のゆとりもないと思います。そんなときこそ落ち着いて写真を撮っておけば、万が一はぐれてしまっても探す際の大きな手掛かりになると思います」とのことだ。

 次に、「子どもは、親が想像しない行動をします」と指摘。特に災害時は目を離さないこと、手を離さないことが大事なポイントになるといい、「万が一離れ離れになった場合のことを考慮して、普段から集合場所を決めておいたり、自宅や避難場所周辺を散歩して道を覚えさせたり、連絡先を記載したメモを持たせたりするなどの対策が必要です。その積み重ねが、いざというときに子どもを守ることになりますし、親自身のパニックも少しでも減らすことができると思います」と教えてくれた。

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