俳優の木村拓哉が主演を務めるフジテレビ系連続ドラマ『風間公親－教場0－』（月曜午後9時）の第6話が、15日に放送された。今回は、北村匠海演じる新人刑事・遠野章宏の過去が明らかになった。

　同作は、2020、21年に新春SPドラマとして放送された『教場』『教場II』シリーズの連続ドラマ。『教場』『教場II』では神奈川県警の警察学校を舞台に、木村演じる冷徹で“最恐”の教官・風間公親（かざま・きみちか）が生徒たちをふるいにかけたが、今回は風間が警察学校に赴任する前に、“刑事指導官”として新人刑事を指導していた時代を描く。

（※以下、ドラマの内容に関する記述があります）

　風間から交番勤務に戻るよう告げられた遠野は、「僕は、刑事を辞めるわけにはいかないんです」と指導を求める。遠野には高校2年のときに剣道部を辞めた過去があった。また、警察学校時代は花壇に植えた「スイカヅラ」の花を見て泣いていたことも。

　風間からチャンスを与えられた遠野は、身元不明の変死体が発見された山へ向かう。遺体の状況や現場の野次馬の顔をもとに、遠野はギャラリーを経営している画家の向坂善紀（筒井道隆）に目をつけた。

　向坂は、元妻と再婚相手の歯科医のもとで暮らす息子の絵の才能に気づいていた。息子の美大進学に反対する再婚相手を呼び出した向坂は、説得の結果もみ合いになり、思いがけず再婚相手を殺害してしまっていた。

　向坂の元を訪れた遠野は、遺体が発見された山の絵を2日で描くよう依頼し、向坂をゆさぶる。向坂は覚悟を決めたように絵を描き始めた。2日後、ギャラリーの表には完成した山の絵が飾られていた。向坂の足取りや息子との関係、遺体の特徴、ギャラリー内の工具などから、遠野は向坂が犯人と確信し追い詰めていく。しかし向坂は認めなかった。

　風間からそれ以上の追及を止められた遠野は、山の絵を見つめる息子の姿を目にする。遠野は、「あの山……あれがあの子にとっての原風景だとしたら……。向坂はあの原風景を見せて、道を決めさせたかったのか」と気づく。「だから息子が来るまで自供する気はなかった」と向坂の気持ちを理解した。息子は小学生のころに父と見た山の風景を描き、このときから画家になりたいと思っていたのだった。息子と話をした向坂は、「自首します」と自ら罪を認めた。遠野は向坂が描いた山の絵を見つめ、「僕にも、あの絵があるんです」とつぶやく。

　風間は犯人を自首に導いた遠野の力を認めた。運転を遠野に任せ、次の現場の応援に向かう。張り込み中の車内で遠野は「指導官、僕は刑事になれませんか」とたずねた。「きみにも原風景があるようだな」と答える風間。

　遠野は、刑事風にコラージュされている高校時代の自分の写真を見せ、「僕にとって、あの山の絵と同じなんです」と語る。帰り道が同じになった女子剣道部の同級生と仲良くなった遠野。しかし高2の試合を前に、彼女は学校に来なくなった。

「入院したって。お見舞いに行きたいと言ったら断られて、メールだけのやり取りになりました。僕は『警察官になるのが夢だ』と言いました。『刑事に憧れてる』って。その子は花が好きで、毎日写真を送ってくれて……楽しかったなぁ……」と振り返る。スイカヅラの写真も、彼女が送ってくれたものだった。

　しかし半年が過ぎると連絡が途切れ途切れに。そしてある日、刑事風の遠野の写真が届いた。写真の裏には「あなたの夢がかなうことを祈ってます。必ず叶えて！」とメッセージが。病院にかけつけると、彼女はすでに亡くなっていた。「だから僕は、刑事にならないと」と前を見つめる遠野。「ならこれは、大切なお守りだな」と風間は写真を返した。

　この直後、遠野は千枚通しを持った男（森山未來）に滅多刺しにされてしまう。さらに応戦した風間も右目を刺されてしまう。息も絶え絶えに「僕は……刑事に……なれませんか」と問う遠野に、風間は「お前はすでに刑事だ。だから、寝るな」と呼びかけるのだった。

　遠野の告白からのショッキングな展開に、SNS上では「原風景の話を聞いて、応援したくなる気持ちになった途端の衝撃、息が止まりそうでした」「運転も任されて、原風景も打ち明けて、すでに刑事だって言ってもらえて、認めてもらえた矢先の事件だったのつらすぎる……」と悲しみの声が挙がっている。