透明トイレや女子トイレなしで物議 渋谷区「THE TOKYO TOILET」、他にも奇抜デザイン続々

新設した公共トイレに女性専用がないことで議論を呼んでいる東京・渋谷区のトイレ問題。騒動はいまだ収まらないが、同区内には未完成の個性派トイレも着々と工事が進行中だ。ENCOUNT編集部が8日、実際に現地に足を運んでみると…。

建設中の「西参道公衆トイレ」【写真:ENCOUNT編集部】
建設中の「西参道公衆トイレ」【写真:ENCOUNT編集部】

全17トイレのうち15か所が完成 残す2か所を取材

 新設した公共トイレに女性専用がないことで議論を呼んでいる東京・渋谷区のトイレ問題。騒動はいまだ収まらないが、同区内には未完成の個性派トイレも着々と工事が進行中だ。ENCOUNT編集部が8日、実際に現地に足を運んでみると…。

 渋谷区は「THE TOKYO TOILET」として区内17か所に個性的なトイレを設置するプロジェクトを進めている。合言葉は「見たことのないような 公共トイレが渋谷区に」。建築家の安藤忠雄氏ら世界で活躍する16人のクリエーターが参画し、個性的なトイレの完成を目指している。冬場にシステムが故障して話題になった代々木公園内の「渋谷はるのおがわコミュニティパーク」に設置された“透明トイレ”が有名だが、ほかにも造形美を追求したトイレが各所に点在している。

「鍋島松濤公園トイレ」(松濤2-10-7)は隈研吾氏がデザイン。“森のコミチ”をイメージし、入口や内部に木がふんだんに使用されている。また、「七号通り公園トイレ」(幡ヶ谷2-53-5)は“手を使わないトイレ”で、「Hi Toilet」と声で操作することにより、ドアの開閉からトイレの水洗まで全ての行動を音声で行うことができる。「恵比寿東公園トイレ」(恵比寿 1-2-16)は、公園内のタコの遊具と対になるユニークな“イカトイレ”となっている。

 公式サイトによると、今回波紋を呼んだ「幡ヶ谷公衆トイレ」は15か所目の完成トイレで、残す工事中のトイレは2つとなっている。京王線笹塚駅前の「笹塚緑道公衆トイレ」(笹塚一丁目地内)と、代々木の「西参道公衆トイレ」(代々木 3-27-1)だ。

 まずは笹塚に向かった。改札を出て南口を右に曲がって直進すると、すぐにトイレがあった。立ち入りは禁止されており、コーンが置かれ、工事の真っただ中。工事期間は3月10日までとなっており、最終段階を迎えているようだ。幡ヶ谷公衆トイレとは異なり、男子トイレ、女子トイレ、バリアフリートイレに分かれ、大小のこどもトイレも設置する充実ぶりだった。設計は一般社団法人日本トイレ協会の小林純子会長。月や丸窓にうさぎのデザインがかわいらしい。

 一方で、奇抜さが目立ったのは「西参道公衆トイレ」だ。初台駅から甲州街道を新宿方面に進み、徒歩7~8分ほど。西参道口の交差点を右折すると、左側に白い建物が見える。こちらも工事中で、事業期間は3月24日までとなっており、急ピッチで作業が進められている。担当クリエーターは2025年「大阪・関西万博」会場デザインプロデューサーの藤本壮介氏。全体像はまだ見えないが、真っ白な建物で、曲線的なデザインが目を引く。マークからトイレは男女に分かれているようだ。この日は入口に青いスリッパが置かれていた。トイレの外観を見た人からは「サントリーニ島みたい」との声も上がった。

次のページへ (2/2) 【写真】青いスリッパが置かれた「西参道公衆トイレ」のアザーカットと「笹塚緑道公衆トイレ」
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