小籔千豊、16年間務めた吉本新喜劇座長振り返る 内場勝則さんのメールでけじめついた

初めての著書「ゲーム反対派の僕が2年で4000時間もゲームをするようになった理由」(辰巳出版)が好評発売中のお笑いタレントの小籔千豊(49)は、バンド「ジェニーハイ」のドラマー、俳優、作家、ゲーム系YouTuberと多彩な才能を見せる。一方、吉本新喜劇では2022年8月に16年間務めた座長を卒業し、一区切りをつけた。

著書初出版の小籔千豊が記念興行を打たなかった理由を語る【写真:ENCOUNT編集部】
著書初出版の小籔千豊が記念興行を打たなかった理由を語る【写真:ENCOUNT編集部】

吉本新喜劇の座長を卒業してフォートナイト関連の著作を出版

 初めての著書「ゲーム反対派の僕が2年で4000時間もゲームをするようになった理由」(辰巳出版)が好評発売中のお笑いタレントの小籔千豊(49)は、バンド「ジェニーハイ」のドラマー、俳優、作家、ゲーム系YouTuberと多彩な才能を見せる。一方、吉本新喜劇では2022年8月に16年間務めた座長を卒業し、一区切りをつけた。(取材・文=平辻哲也)

 06年から務めた吉本新喜劇座長としての幕引きは意外にもあっけないものだった。お笑いコンビで漫才をしていたときに、相方から解散を告げられ、02年に座員に。わずか4年という異例の早さで就任し、以来、劇団を引っ張っていったが、記念公演は一切打たなかった。

「会社からは『最後は小籔座長勇退特別公演! とかうって記者会見とかド派手にしましょう』と言われましたが、派手にしたくなかった。その点では、むしろ会社が言うこと聞いてくれた感じですね」と明かす。

 22年1月に吉本上層部から卒業を告げられたときは自身のインスタグラムで「突然言われた時は少し寂しい気もしましたが元々、10年経ったら辞めなければならないと思っていたのに15年やってしまいました。クビなのか任期満了なのかはわかりませんがとりあえず当番が終わります」などとつづったが、腹は決まっていた。

「もちろん寂しいなと思いますし、全然やり切ったとも思わないので、まあまあって感じですかね。ただ一生やり続けるわけにもいかないですから。最後に内場勝則さんからのメールで労いの言葉をいただいたときは、卒業証書をもらったような気持ちだったんです。それで、僕の中ではパチっと終わった感じはありました。内場さんからは教えていただいたことがいっぱいあるし、尊敬する先輩でしたから」

 40代の最後の年となった22年は一区切りの年だったようだ。座長に区切りをつけ、大好きなゲーム「フォートナイト」に関する著作を出版できた。

「フォートナイトをきっかけに、僕の家や親子関係が変わったんで、お子さんを持っている方がいっぱい手に取って、ご夫婦とかで考えるきっかけになったらいいですね。僕はもともとゲーム反対派やったし、ゲーム好きのお子さんの気持ちも分かる。反対派の親御さん、ゲーム好きのお子さんに読んでもらって、よかったなと思ってもらえる人が1人でもいたら、いいと思いますね」と期待する。

 自身で開催する親子大会は23年4月に第3回大会を迎えるが、ゆくゆくは世界を舞台にした親子大会も企画したいという。

「ヨーロッパとかアメリカとかはパソコンのゲームが発達していて、世界大会も多いんです。日本はちょっと遅れをとっていますね。ヨーロッパやアメリカはゲーム人口も多いし、レベルも高い。それで『いいんですか?』という思いはあります。ゲームをやることで学力がどうのこうの言われていますので、いいか悪いかは一概には言えないと思いますけども、僕自身が変わったのは確か。変わってよかったと思っているので、これを機にeスポーツの世界を知ってもらえたら」と力を込める。フォートナイトは今後、小籔のライフワークになりそうだ。

□小籔千豊(こやぶ・かずとよ)1973年9月11日、大阪出身。2006年から吉本新喜劇の座長に就任し、22年8月まで務める。バンド「ジェニーハイ」のドラマーとして参加。2004年放送のNHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』にレギュラー出演するなど俳優として多数の話題作に出演。ほか主な出演作に『FLY!~平凡なキセキ~』(12/監督:近藤真広)、TVドラマ『陸王』(17)、『テセウスの船』(20)、NHK大河ドラマ『麒麟がくる』(20~21)など。映画『ある男』が公開中。

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