12月28日、両国国技館で行われた「INOKI BOM-BA-YE×巌流島in両国」で事故が起きた。カポエイラの使い手としてキックボクシングや総合格闘技で活躍するマーカス・レロ・アウレリオ（ブラジル）は、テコンドー全日本選手権13連覇の江畑秀範と巌流島特別ルールで対戦。アウレリオが江畑を場外へ転落させ、ドクターストップによる一本勝ちとなった。

　当初アウレリオは「ムゲンドーマーシャルアーツ」のガロア・ボファンドと対戦するはずだったが、ガロア・ボファンドのビザが下りず来日不能となり急遽、相手が変更となった。そこで名乗りをあげたのが江畑だった。

　試合前、トリッキーなカポエイラの回転技と、身長198㎝の江畑が繰り出すテコンドーの蹴り技のどちらに軍配が上がるか注目が集まった。

　試合が始まると、両者はそれぞれの構えでお互いを見合い、距離の探り合いに。江畑が一歩下がった瞬間にアウレリオが突進し、助走がついた形で江畑が段差のある場外に勢いよく転がり落ちた。

　巌流島特別ルール・巌流島ルールでは、場外への「転落」を3回してしまうとその時点で1本負けとなる。アウレリオはリング上でカポエイラの舞いを見せていたが、会場は騒然となった。場外に落ちた江畑が身体を硬直させたまま動かないのだ。

　江畑は担架で運ばれ、アウレリオの勝利という形になった。異種格闘技戦ということで相撲の「押し出し」も認められているが、段差のあるリングからの転落は非常に危険だ。

　大会の公式ツイッターでは「試合後のテコンドー江畑秀範選手。さしあたり大きなケガはなかったとのことです」と報告している。