カフェの“クリスマス手当”廃止にパート女性が署名活動 ストライキの構えで要求実現

首都圏青年ユニオン(東京都)は23日、都内で会見を開き、30代のパート女性が株式会社フジオフードシステム(大阪市)に対し、ストライキを構えた上でのクリスマス時期の繁忙手当の支払いを要求し、実現したことを発表した。女性本人は要求が実現したため当日出勤し、会見には同席しなかった。

1万筆を超える署名を見せる首都圏青年ユニオン飲食業分会の栗原耕平代表(右)と原田仁希副代表【写真:ENCOUNT編集部】
1万筆を超える署名を見せる首都圏青年ユニオン飲食業分会の栗原耕平代表(右)と原田仁希副代表【写真:ENCOUNT編集部】

カフェ店勤務の2児の母 署名は1週間で1万筆を集める

 首都圏青年ユニオン(東京都)は23日、都内で会見を開き、30代のパート女性が株式会社フジオフードシステム(大阪市)に対し、ストライキを構えた上でのクリスマス時期の繁忙手当の支払いを要求し、実現したことを発表した。女性本人は要求が実現したため当日出勤し、会見には同席しなかった。

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 女性が勤務しているのは「デリス タルト&カフェ」グランツリー武蔵小杉店。2人の子どもを育てながら、4年前から勤務している。「デリス タルト&カフェ」では例年、クリスマスを迎える時期は繁忙期となり、例年は基本的に自給に100円をプラスする「クリスマス繁忙手当」が支給されていた。ところが、今年は新型コロナウイルス禍などの影響により、手当が支給されないことが通知されたという。

 同ユニオンは、8月16日に、手当支給などについて団体交渉申し入れ書を提出。その際、土日祝日や繁忙期の加給制度を要求した。会社側は同26日付の回答書内で「土日祝日及び繁忙期の加給制度や基本時給の引き上げについては、当社は、長引く新型コロナウイルス感染症の影響等により2022年12月上期において連結損失を計上していることもあり、要求に応じることは出来かねます」(本文抜粋)と回答したという。

 10月18日に行われた団体交渉でユニオン側がクリスマス繁忙手当の支給について確認すると、会社側は支給は難しいとの認識を示した。11月になって店長から、クリスマス繁忙手当について今年は支給しない旨が伝えられた。ユニオン側は12月1日から、クリスマス繁忙手当の存続を求めてオンライン上で署名活動を開始した。

 活動は1週間で1万筆を集めるなどの反響があった。最終的には1万2000筆以上となった署名とともに、パート女性1人が今月23~25日の3日間ストライキを実施することを15日に同社側に通告した。同社は19日、一転してクリスマス繁忙手当の支給を決定した旨を通知。女性側はこれを受けてストライキを取りやめた。

 首都圏青年ユニオン飲食業分会・栗原耕平代表は欠席した女性のコメントを代読し、「今回、このようなに声を上げ立ち上がったことで、成果を出せたことは、今後の私たちにとって大きな力になったと思います。飲食業界全体の改善や、非正規で働く方々、特に多くを占める女性の方々の待遇改善や権利向上を目指し、引き続き頑張っていきたいと思います」とした。

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