格闘技イベント「The Battle Cats presents 超RIZIN(以下、超RIZIN)」「湘南美容クリニック presents RIZIN.38(以下、RIZIN.38)」（ともにABEMAで完全生中継）が25日・さいたまスーパーアリーナで行われる。「超RIZIN」のメインイベントではフロイド・メイウェザー（米国）と朝倉未来（トライフォース赤坂）がボクシングに準じたルールで対戦する。ENCOUNTではRIZINの榊原信行CEOをインタビュー。大会の見どころから、レジェンド・メイウェザー招聘（しょうへい）までの苦労などと語ってもらった。第2回はメイウェザーの気まぐれについて。（取材・文＝島田将斗）

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「予定は未定なんですよ」

　北米市場を念頭に置いて行ったハワイ会見を榊原CEOはこう振り返った。

　メイウェザーにはもはや遅刻のイメージしかない。2018年の大みそかに行われた那須川天心戦の会見では30分の遅刻。当日の会場入りも当然のように遅れ、悪びれる様子もなかったのはファンの記憶に強く残っている。

　今回の会見でもそれは同じ。今どこにいるのか、滞在しているホテルを出発したかどうか。そもそも今日やって来るのか――。姿を見るまで会場にいる誰もが不安に駆られていた。

　メイウェザーをハワイの地に連れてくることを成功させた榊原CEOは「苦労しかないですよ」と苦笑いで振り返った。

「今回は前日の22時に、飛んでくるって言ってたんですよ。でも到着したのは会見の1時間半前ですよ。本当に手に負えないですよね……。前回の天心と戦ったときには朝起きて、窓から外を見たら富士山が見えて、『あの富士山登ってから試合に行こう』って言ったようなんですから。それギャグでしょ？　みたいな話が彼らのライフスタイルの中では日常茶飯事ってことですよ」

　榊原CEOへのインタビューを行ったのは会見の翌日。メイウェザーだから仕方ないと考えるべきなのか。RIZINが用意した宴席の場には興味も示さなかったようだ。

「もう今いないですもんね。彼らはマウイ島に行っています。今日はみんなでバーベキューをやるっていうことで全部お肉も買って用意してたのに、それをすっ飛ばしました。（メイウェザーの付き人を含む）30人ぐらいが全員で民族大移動ですよ」

　さらに「予定は未定なんですよ。本当に今回も肝を冷やしました。でも無事に会見ができてよかったです。会見に来るのは当たり前じゃないですか。でも、会見に来ただけでめちゃありがたいんですから」と思わず笑った。

　会見に呼ぶだけでこの苦労。9・25、リングに上がるのか。会見だけで2億円も稼いでいるだけあって、バックレてしまうのではないだろうか。そんな不安も頭をよぎりそうだが、榊原CEOは「絶対上がります」と自信を見せた。

「そういうところは絶対外さない。ギリギリまでメイウェザーのスケジュールの中で、『この時間に入ってください』って。僕らは前もって会場に入ってもらった方が安心」

　メイウェザーのカードを組むのは2回目とあって、余裕も見える。

「バンテージのチェックとかドクターのチェックとかいろんなものがある。それを我々のスケジュールの中で行いたいんだけど、それには絶対従わないでしょう？　そこはもう2回目なので、メイウェザー仕様で臨機応変に対応できるようにしておきます」

　また会見でのもう一つのハイライトは、メイウェザーの“通訳”を元K-1ファイターで、現在はRIZINのリングに上がる平本蓮が務めたことだ。

　記者会見で、平本はいつの間にかメイウェザーの後ろに立っていた。メイウェザーから耳打ちされると、「メイウェザーさんが言っています」を武器に朝倉未来へ口撃。会見をかき回し、話題を持っていった。主役2人を差し置いて、ツイッターでは「平本蓮」の文字がトレンド入りしたほどだった。

　榊原CEOは「最初からキャスティングをしていたんです」と明かしたが会見への乱入は予想外の出来事だった。

「拳を怪我してしまったんですけれど、怪我がなければ9・25に出すつもりでした。せっかくだから、何かトライアウトとかにちょっと関わってもらう。その予定でした。記者会見の中での役割は正式には決まっていなかったんです。だから本人的には目立とうと思ってたんでしょうね。変なTシャツ作ってきてたりとか（笑）」

　さらに「自分たちで行ったんですよ。『（メイウェザーを）紹介してください』って言われて、紹介してあげたんです。メイウェザーが来るのを待ってて、話して何かメイウェザーに絡んでいったんじゃないですか？　平本が何らかの形でステージに上がってくるとは思っていました。でもまさか通訳として上がってくるとは思わなかったので、やられた感じです」と振り返った。

　大会には出場しない。それにも関わらず会見には出てくる。榊原CEOにも“目立ちたがり屋”と言われた平本はRIZINにとってはいなくてはならない存在になっている。

「あんな変なことやれって言っても誰もやらない。プロとしてのアプローチは間違ってないと思うけどね。やっぱりそこに貪欲さは必要だし、会見で1番アクセス数なり、アテンションを取ったのが“平本蓮”だったら平本の勝ちですよ」

　あくまで会見のメインは、未来とメイウェザーの2度目の対面だ。突然乱入し、全てを持っていった平本に榊原CEOは白旗を上げた。

「未来も1本取られた感じじゃない？　もう平本蓮のための会見じゃないですか。最悪ですね（笑）」

　試合をしなくとも数字を持っている“美しきドブネズミ”。今後、平本がどのように「超RIZIN」「RIZIN.38」に関わってくるのか。ファンの楽しみの1つになってきている。

▼チケット詳細はこちらから
・ABEMA特設ページ
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・チケット詳細ページ
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・『朝倉未来 応援チケット』詳細ページ
https://abema.tv/channels/payperview-8/slots/A26LaMh7in9EqV