カリスマ“ヤンキー先生”が東進からYouTubeに転身したワケ、吉野敬介氏が激白

吉野敬介氏(左)と森田鉄也氏
吉野敬介氏(左)と森田鉄也氏

「無料だからこその難しさがある…さらに気合いが入った」

 もちろん、難しさはあります。私も最近、YouTubeを見るんですが、いつの間にか、プロレスとか、アントニオ猪木とか観てしまう(笑)。無料だからこそ、難しさがあることに気付きました。お金を払っていれば、もったいないから、授業を聞かなきゃいけない、という意識も出てくる。お父さん、お母さんが働いて、授業料を出してくれている、という思いもあるでしょう。でも、これが無料だったら、別に受けなくても、誰も文句を言いませんから。まず、観てもらう必要があるんです。

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 だからこそ、さらに気合いが入った部分はあります。飽きさせない、いい授業をやらなきゃ、と。これまで、現役バリバリの一流講師が、YouTubeで授業をしているのは見たことがありません。東進にはほとんど編集が入りませんが、YouTubeではどんどん編集も入れます。電子黒板などの設備も整っています。そこはYouTubeを熟知している森田君がしっかりやってくれます。彼は編集が大事であることを知っているし、効果音を入れたりして飽きさせない工夫もできる。これまでにないコンテンツになるはずです。

 収入面はどうなるかはわかりませんが、お金は別にもういいかな(笑)。もちろん、あるにこしたことはないですよ。でも、今回は“最後の恩返し”みたいな感じなんです。予備校講師としては、代ゼミで16年間トップだったし、東進でも12年間トップでした。でも、俺なんか“一発屋”みたいなもん。そんな一発屋も、今年で54歳になるわけですよ。バリバリに働けるのもあと数年。最後は恩返しの意味をこめて、無料で受けてもらいたいという思いがあります。できれば、俺が死んでも受けてもらいたいんです。代ゼミや東進では、辞めれば授業は流れません。でも、YouTubeは一生、残りますから。

 お金のことを考えるのであれば、一人でやればいいだけのことです。一人で機材を買って、マンション借りてやればいい。ほかの人と組む必要はありません。でも、自分の授業以外にも色んなことをやりたいんです。今後はほかの教科の先生も、オーディションで募っていきたい。将来的には中学受験の分野もやりたいんです。昔の中学受験は小学5、6年くらいから用意しておけばよかったんですが、今は最低でも小学4年から用意しなければいけない。その間の学費は膨大なものになる。だったら、それも無料でできないかなと考えています。

□吉野敬介(よしの・けいすけ)1966年6月25日生まれ、神奈川県鎌倉市出身。中学時代から不良グループとつるむようになり、暴走族の特攻隊長に。高校卒業後は中古車販売会社に勤務。失恋をきっかけに、20歳の9月に大学受験を決意。約4か月の猛勉強で、国学院大文学部に合格する。大学卒業後、代々木ゼミナールの講師採用試験に史上最年少で合格。16年間、トップ講師として君臨する。2008年4月から東進ハイスクールで教壇に立ち、12年間、トップ講師として信頼を得る。2020年4月からYouTubeの予備校「ただよび」を立ち上げる。

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