“新体制”水曜日のカンパネラが初ワンマン 2代目ボーカル詩羽の20歳とは思えぬ堂々たる姿

水曜日のカンパネラが3日、“新体制”初となるワンマンライブ「水曜日のカンパネラ ワンマンライブ2022 ~Neo poem~」を東京・恵比寿 LIQUIDROOMで開催した。詰めかけた満員のファンを前にボーカル・詩羽は多彩なパフォーマンスを披露した。

初ワンマンを行った水曜日のカンパネラ【写真:横山マサト】
初ワンマンを行った水曜日のカンパネラ【写真:横山マサト】

LIQUIDROOMで開催された初ワンマンはチケット即日完売

 水曜日のカンパネラが3日、“新体制”初となるワンマンライブ「水曜日のカンパネラ ワンマンライブ2022 ~Neo poem~」を東京・恵比寿 LIQUIDROOMで開催した。詰めかけた満員のファンを前にボーカル・詩羽は多彩なパフォーマンスを披露した。

 2021年9月に初代ボーカリストのコムアイが脱退、2代目ボーカリストとして詩羽の就任が発表された。現在は詩羽、サウンドプロデューサーのケンモチヒデフミ、Dir.Fと3人で活動を続けるが、ライブでは詩羽1人がステージ上でパフォーマンスする。

 全国8か所を巡る対バンツアーのラストを飾るのは新体制初となるワンマンライブだった。リリースパーティーは開催したことはあるものの、正式なワンマンライブは今回が初。チケットは即日完売とLIQUIDROOMには多くのファンが詰めかけた。

 幕開けは初ワンマンにふさわしい新生・水曜日のカンパネラ初楽曲の1曲「アリス」だった。その後は、コムアイ時代の楽曲「アラジン」「ラー」と続けた。そして、「バッキンガム」では、ステージいっぱいに動き回りながらパフォーマンスした。

 この日の初MCで詩羽は水曜日のカンパネラの詩羽です!」と自己紹介。大きな拍手を浴びながら、ペットボトルの水を飲みながら「おいしぃ!」と連呼。満員のフロアを前に「やばいねー。ぎゅうぎゅうの景色見てうるっとしちゃった」と満員のリキッドの光景をかみ締めた。今回のライブは撮影OKとのこと。「自由に写真オッケー」「かわいい瞬間を撮ってほしいなと思います」と呼びかけると、ファンは思い思いにスマホを詩羽に向けた。

詩羽は貫禄のパフォーマンスを披露【写真:横山マサト】
詩羽は貫禄のパフォーマンスを披露【写真:横山マサト】

 そして、詩羽がダンスをレクチャーし、「ディアブロ」へ。身振り手振りで声の出せない中でのコール&レスポンスをファンと一緒に楽しんだ。続けて新曲「ティンカーベル」をしっとりと歌い上げると、会場は暗転。

 コムアイ時代の楽曲「メデューサ」のイントロが流れると、光る電飾のマントをまとった詩羽が満員の客席フロアの中を歌いながら練り歩くという斬新なパフォーマンス。フロア後方に用意された脚立に座り「モヤイ」を歌唱。観客の予想を超えた演出で喜ばせた。

 驚きはこれでは終わらない。再び暗転すると、今度はお祭りの音に合わせ、うさぎの仮面を被ったパフォーマーがフロアを練り歩く。そして4人が会場を1周し、ステージに戻ると張られた暗幕は開いた。そこに現れたのは竹やぶに覆われたようなセット。十二単衣のような衣装を身にまとい、鎮座する詩羽が「かぐや姫」を歌い上げた。その様子はまるで宙に浮いているかのようだった。

 セットから降り、衣装チェンジ。「前の水曜日のカンパネラも好きな人もいたり、詩羽になって好きになったよって人もいろいろ混ざってるかなと思うんです。年齢も性別もバラバラで、もうすぐ(活動を始めて)1年になるんですけど、世代のゴチャゴチャ感が私的には心地良いというか」と集まった幅広い年代のファンへの思いを口にした。そして、「チケットも売れるか心配だったの。正直」と不安を抱いてことも明かした。続けて、「やりたいことをやって自分の意志をつらぬいていればいいことあるのかなって」としみじみと語った。

 ファンに「天の川を作ってほしいんです」と呼びかけ、スマホのライトを灯してもらうと「織姫」を披露。そして、ダンサンブルな楽曲「卑弥呼」と続けると、観客は思い思いに体を揺らした。さらに、本日2曲目となる新曲を披露。曲の途中では、5人のカメラマンたちがステージに現れるなどの演出も見られた。

 続いてのブロックでは「エジソン」を披露。ミュージックビデオさながらのセットがステージ上に出現し、楽曲の世界観を彩った。TikTokやSNSなどでバズった広がっている詩羽水カンの代表曲。多数の観客がスマホで撮影をしながらも体を揺らしていた。

人形とともに「一寸法師」を披露【写真:横山マサト】
人形とともに「一寸法師」を披露【写真:横山マサト】

 その後のMCをではひたすらに「楽しい!」を連呼。詩羽が活動開始したときにはすでにコロナ禍。「マスクでつねにみんなの顔が半分ぐらい見えない状態でライブをしているので、伝わるけど伝わらないことがたくさんあって、全部が見えているよりはMAXが10の6しか伝わらなかったり。だから手拍子だったり、詩羽に向かってくれるだけで熱量が伝わるんですよ。全力でみんなにこの距離感で伝えられることを伝えたい。難しい時期ではあると思うんだけど私はこの時期に始まったからこそできることがある」と複雑な胸中も明かした。

 そして、「ラブ以外のヘイトが届くことがこれからたくさん数え切れないくらい出てくると思うんですけど、ここにいるみんなを先頭に私にラブを届けてくれればなと思います」「これからどんどん出てくるヘイトをかき消すぐらいのラブを私に届けてください!」と集まったファンへの感謝を口にした。

 ラストのブロックではコムアイ水カンの代表曲「桃太郎」を独特の振り付けとともに披露。続いて、「一寸法師」では詩羽が人形を4体背負いながらパフォーマンス。ラストは縁起の良いトラック「招き猫」。ステージ上に巨大招き猫が登場。コムアイ水カンから受け継がれる伝統的演出のひとつで、新生カンパネラでも初期から使われている招き猫をめでながら歌い上げた。サビでは金色のテープがステージ左右から客席に向かって舞うなど、ド派手な演出で初のワンマンライブを締めくくった。

巨大招き猫もステージに登場【写真:横山マサト】
巨大招き猫もステージに登場【写真:横山マサト】

 最後に「ありがとうございました! ビッグラブ!」と言葉を残しステージを降りた。

「エジソン」がバズるなど、注目度が上昇する中での待望の初ワンマン。20歳らしいういういしさと20歳とは思えぬ堂々たるパフォーマンス。集まった観客を楽しませようという思いが存分に伝わる一夜だった。完成度の高さもさることながら、詩羽の今後の伸びしろに期待せざるをえない初ワンマンとなった。

○水曜日のカンパネラ ワンマンライブ2022~Neo poem~(8月3日恵比寿 LIQUIDROOM)
1.アリス
2.アラジン
3.ラー
4.バッキンガム
5.ディアブロ
6.ティンカーベル(新曲)
7.メデューサ
8.モヤイ
9.かぐや姫
10.織姫
11.卑弥呼
12.(新曲)
13.エジソン
14.桃太郎
15.一寸法師
16.招き猫

次のページへ (2/2) 【写真】ド派手パフォーマンスを披露した水曜日のカンパネラ
1 2
あなたの“気になる”を教えてください