「オンキヨー」ブランド復活 5月に破産も…知的財産取得した米国企業のもと再スタート

一流オーディオ機器ブランド・オンキヨーが帰ってくる。3日、都内で行われたPremium Audio Company, LLC事業戦略並びに新製品発表会で明らかになった。昨年9月にオンキヨーの知的財産を取得していた同社が、新製品を発表。8Kテレビや3次元音響といった音響技術革新に応える家庭用AVアンプなどを今年9月から発売する。

Premium Audio Company, LLC(PAC)日本担当ディレクター・上山洋史氏、ティアック株式会社の国内営業部長・山本浩史氏、オンキヨーテクノロジー株式会社マネージングディレクターの宮城謙二氏(左から)【写真:ENCOUNT編集部】
Premium Audio Company, LLC(PAC)日本担当ディレクター・上山洋史氏、ティアック株式会社の国内営業部長・山本浩史氏、オンキヨーテクノロジー株式会社マネージングディレクターの宮城謙二氏(左から)【写真:ENCOUNT編集部】

オンキヨーの知的財産を取得したPremium Audio Company, LLCが新製品発表会を実施

 一流オーディオ機器ブランド・オンキヨーが帰ってくる。3日、都内で行われたPremium Audio Company, LLC事業戦略並びに新製品発表会で明らかになった。昨年9月にオンキヨーの知的財産を取得していた同社が、新製品を発表。8Kテレビや3次元音響といった音響技術革新に応える家庭用AVアンプなどを今年9月から発売する。

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 今年5月に大阪地方裁判所に破産手続き開始を申請していたオンキヨーホームエンターテイメント。破産が知らされると、多くのファンが「オンキヨー」との別れを惜しんだ。一流のオーディオ機器ブランドの行く末に注目が集まっていたが、今回、新体制のもとで再スタートを切る。

 発表会には米国・Premium Audio Company, LLC(PAC)日本担当ディレクターの上山洋史氏、オンキヨーテクノロジー株式会社マネージングディレクターの宮城謙二氏、1980年代にオンキヨー「ラディアン」などのCMに出演していた女優の南野陽子が登壇した。

 PACは21年9月にオンキヨーテクノロジー株式会社を通じて、オンキヨーホームエンターテイメント株式会社の映像・音響事業等すべての知的財産を含むオンキヨーおよびインテグラのブランドを取得。さらに22年7月に、ティアック株式会社と、PACがライセンスを保有するオンキヨーなどのホームAV製品の日本国内における販売代理店契約を締結していた。

 PACは「プレミアムなホームエンターテインメントを目指す」とし、日本市場を海外戦略の中で最重要と位置づけ、子会社として「オンキョーテクノロジー株式会社」を設立しており、エンジニア80人が在籍。大阪を拠点に開発を行い、マレーシアで生産される。販売は米国・PACが管理し、日本ではPACと販売代理店契約を締結するティアック株式会社が販売。これらのインフラ整備が整ったことで、この日の新製品発表に至ったという。

 この日発表された新製品は「オンキヨー」「インテグラ」「パイオニア」の3ブランド5種で、22年9月から順次発売する。全てのモデルがHDMI 2.1、4K、8Kに対応し、3次元音響の「Dolby Atmos」「dts:X」にも対応。8K普及によるスクリーンの大画面化やHDMIの進化、映画と映画館の進化、室内音響最適化の技術革新に応える形だ。

 家庭用AV製品の需要低迷や、筆頭株主の破産、新型コロナ感染拡大の影響で海外の工場が操業停止になるなど、混沌の末で破産に至った老舗オーディオブランド。時代の潮流に乗り、再浮上することができるか、再び注目が集まる。

 上山氏はこれらのインフラ整備や環境への対応に加え、パートナー企業との強固な関係があると強調。「オンキヨーのDNAは技術員の中で生きている。進化された技術が搭載された製品を販売できて幸せ」とブランド復権に向けて自信をのぞかせていた。

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