アントニオ猪木氏、安倍元首相を追悼 警備体制を疑問視「周りに人がいなかった」

元プロレスラーで元参議院議員のアントニオ猪木氏が8日、奈良の近鉄大和西大寺駅前で男に銃撃され死亡した安倍元首相を追悼した。

アントニオ猪木氏【写真:ENCOUNT編集部】
アントニオ猪木氏【写真:ENCOUNT編集部】

議員時代、複数回会食、国会答弁が話題になったことも

 元プロレスラーで元参議院議員のアントニオ猪木氏が8日、奈良の近鉄大和西大寺駅前で男に銃撃され死亡した安倍元首相を追悼した。

 猪木氏は電話取材に応じ、「何回か食事もしたことあるけど、やっぱり有名になったのは国会で『元気ですかー!』と言ったら、『心臓に悪いからやめてくれ』となったとき(安倍氏は違う反応を示した)。いきなりこういうことになって、びっくりしています。国際情勢の問題に長く携わる中で、普段とは違う側面を見ることも多かった。亡くなられたことに言葉がありません。ご冥福をお祈りします」と突然の訃報に胸を痛めた。

 議員時代、安倍氏と複数回会食するなど、与野党の枠を超えて親しい関係にあった。2014年3月の参院予算委員会では、「元気ですかー! 元気があれば何でもできる」と絶叫した猪木氏に対し、委員長が「最初のご発声は元気が出るだけでなくて心臓に悪い方もいらっしゃると思いますので、今後はお控え願いたいと存じます」と注意。しかし、首相だった安倍氏は、ハルク・ホーガンやブルーノ・サンマルチノとの名勝負を挙げ、「手に汗握った」と発言。笑顔を交えながら若き日の思い出を語り、猪木氏のレスラーとしての功績を称えた。

 一方で、猪木氏は「映像しか見ていないのでよく分かりませんけど、撃たれたとき、周りに人がいないんだよね。(安倍氏は)普通の人とは違うので、不審をチェックする人間が20人くらいいてもいい。アメリカであれば完璧に回りを囲んで、安全を確保しているはず」と話し、安倍氏の警備体制に疑問を抱いた。

 猪木氏自身も当選一期目だった1989年、福島・会津若松市で講演中に暴漢に襲われ、刃物で頭や首筋を斬りつけられたことがある。その後、出血しながら数分間、スピーチを続け、左耳の後ろから首筋にかけて10針を縫った。

「俺もあと1ミリ深ければ死んでいた」と振り返った猪木氏は、「安倍さんは元総理大臣で当然、注目度が違うのは分かりますが(警備が薄い)」と指摘し、検証の余地があるとの見方を示した。

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