気鋭の22歳女優・中田青渚、初主演の時代劇で共演者に感謝 高島礼子には「姉妹のように頼りました」

女優の中田青渚(22)が7月8日から、NHK BSプレミアムで放送されるドラマ「善人長屋」(毎週金曜、午後8時)で時代劇に挑戦した。最初は「重いな」と思っていたかつらにも徐々に慣れ、着物姿で走ったり、暖簾を振り回すアクションもこなした。初の連続ドラマ主演など、「初挑戦」だらけの現場では、吉田鋼太郎、高島礼子らベテラン陣に支えられた。新境地を開いたことで、チャレンジしたいことができたという。

時代劇に初挑戦した女優の中田青渚【写真:ENCOUNT編集部】
時代劇に初挑戦した女優の中田青渚【写真:ENCOUNT編集部】

「成長していく姿を見て」 将来は舞台も視野に

 女優の中田青渚(22)が7月8日から、NHK BSプレミアムで放送されるドラマ「善人長屋」(毎週金曜、午後8時)で時代劇に挑戦した。最初は「重いな」と思っていたかつらにも徐々に慣れ、着物姿で走ったり、暖簾を振り回すアクションもこなした。初の連続ドラマ主演など、「初挑戦」だらけの現場では、吉田鋼太郎、高島礼子らベテラン陣に支えられた。新境地を開いたことで、チャレンジしたいことができたという。(取材・文=西村綾乃)

 ドラマは、直木賞作家の西條奈加の同名小説が原作。表向きは善人だが、スリや詐欺師など別の顔を持つ“善人長屋”の住人たちが、裏家業のすご腕を活かし事件を解決していく群像劇だ。

「私は勘が鋭い主人公のお縫(ぬい)を演じています。時代劇は、侍がたくさん出て、男の人は戦いに行き、女性は不在を守るというイメージを持っていました。『善人長屋』は現代劇の要素もある不思議な設定です」

 着物姿での演技は初めて。プライベートでも和装になじみがなかったそう。3月から始まる撮影に備え、所作などを特訓した。

「着物に少しでも慣れようと年明けから練習をしました。楽屋では浴衣で過ごしていたので、いまでは自分で浴衣の着付けをできるようになりました。難しかったのは動き方。洋服では自然にできる動きも、和服になるとぎこちなくなってしまう……。動く前に『よいしょ』と感じた気持ちが動きに出てしまうというか、最初はがちがちでした。全8話の中では、起きた事件を探る際に、下駄で走ったり変装をする場面もあります。お縫を演じながら、成長していく姿も見て欲しいです」

 22歳で初の連続ドラマ主演。現場では父親で長屋のリーダー・儀右衛門役の吉田や、気っぷがいい母・お俊役の高島らから、たくさんのアドバイスを受けたと感謝する。

「時代劇のセリフは独特なので、現場では吉田さんからセリフのイントネーションを直していただくこともありました。高島さんは外での撮影時に、まぶしくて目を開けられずにいたら、『太陽の方向を向いて10秒くらい目を閉じていると慣れるよ』と教えて下さったり、はだしで過ごすことが多い長屋での場面では『足が冷えないように』と足袋の形をした靴下をプレゼントしてくれました。『このチョコレートおいしいよ。食べな』とか、たくさん声をかけていただいて姉妹のように頼らせていただきました」

 表と裏の顔を持つ出演者の中で、唯一、人助けが生きがいの加助だけは裏稼業を持たない。100%善人の加助だが、撮影の合間に演じる溝端淳平の“裏の顔”を垣間見たという。

「溝端さんとは、2年ほど前に共演させていただいたことがありました。その時は、気が付かなかったのですが、今回ご一緒して『豪快な、関西のお兄ちゃんだ』ということが分かりました。ご出身が和歌山県なのですが、撮影の合間は『ここは関西なんじゃないか』と思うほどずっと関西弁でお話されていて驚きました。会話をしている全員にアンテナを立てていて、全方向に突っ込みも入れていて…。クールでスマートな方という印象が変わり、これまで以上に親しみを感じました」

時代劇に初挑戦した女優の中田青渚【写真:ENCOUNT編集部】
時代劇に初挑戦した女優の中田青渚【写真:ENCOUNT編集部】

共演者から刺激「これまでとは、だいぶ印象が変わると思います」

 溝端の“裏の顔”を発見した中田。自身は周囲が驚く一面を持っているのだろうか。

「周囲の方から『意外だ』と言われることが多いのは、身長です。165センチあるのですが、テレビだと小さく見えるようで、お会いした方からは『大きいんだね』とびっくりされます。実は中学時代から背が高い方で、高校で2センチ。大学在学中も1センチ伸びました。一番下の妹が162センチあるのですが、家族は大きくないので何で背が伸びたんだろうと不思議です。多分一番よく寝るからだと思います」

 ベテランの共演者からは、いい刺激も受けた。

「みなさん舞台にご出演されている方が多く、『今度は、舞台にもチャレンジしてみたら』と言っていただいたので、やってみたいなと視野が広がりました。これまでは同世代の方との共演が多く、その中で小悪魔的な役を務めることが多かった。今回演じたお縫は真っ直ぐな女の子。これまでとは、だいぶ印象が変わると思います」

 21年に出演した3作の映画「街の上で」、「あの頃。」、「うみべの女の子」の演技が評価され、映画ファンが主宰する「第43回ヨコハマ映画祭」で最優秀新人賞を獲得。女優として初の吉報に覚悟も芽生えた。

「いただいた賞に恥じないよう、努力をしていきたいです。いまの目標は『NHKの連続テレビ小説』に出演すること。高校時代は『あさが来た』を楽しみにしていて、毎回元気をもらっていました。大好きなジブリ作品に出て来る、ナウシカのように芯の強い女の子を演じてみたいです」

□中田青渚(なかた・せいな)
2000年1月6日、神戸市生まれ。「第5回Sho-comiプリンセスオーディション2014」でグランプリを獲得したことをきっかけに、芸能事務所のアミューズで芸能活動をスタート。21年に出演した映画「街の上で」、「あの頃。」、「うみべの女の子」の演技が評価され、映画ファンが主宰する「第43回ヨコハマ映画祭」で最優秀新人賞を獲得した。165センチ、血液型O。

スタイリング:有本祐輔(7回の裏)

トップページに戻る

あなたの“気になる”を教えてください