【THE MATCH】芦澤竜誠「ただ倒すとかじゃなくて泣かす」 6・19は「俺がぶちかますだけの大会」

格闘技のメガイベント「THE MATCH 2022」は6月19日、東京ドームで開催される。キックボクシングの“神童”那須川天心と、“ナチュラル・ボーン・クラッシャー”武尊の「世紀の一戦」をメインに、RISE、K-1の両団体が誇るトップファイターがズラリと勢ぞろいする。「ENCOUNT」では出場選手へのインタビューを実施。カウントダウン連載で紹介する。第8回は芦澤竜誠(DRAGON FISH)。“キングオブストリートファイト”YA-MAN(TARGET SHIBUYA)と対戦する。

芦澤竜誠はYA-MANとぶつかる【写真:山口比佐夫】
芦澤竜誠はYA-MANとぶつかる【写真:山口比佐夫】

出場選手インタビューvol.8、芦澤竜誠

 格闘技のメガイベント「THE MATCH 2022」は6月19日、東京ドームで開催される。キックボクシングの“神童”那須川天心と、“ナチュラル・ボーン・クラッシャー”武尊の「世紀の一戦」をメインに、RISE、K-1の両団体が誇るトップファイターがズラリと勢ぞろいする。「ENCOUNT」では出場選手へのインタビューを実施。カウントダウン連載で紹介する。第8回は芦澤竜誠(DRAGON FISH)。“キングオブストリートファイト”YA-MAN(TARGET SHIBUYA)と対戦する。

「みんな俺にしか興味がない」。“進化する問題児”の異名を持つ芦澤はこう断言する。それもそのはず。カード発表会見でYA-MANと繰り広げた“ガチ乱闘”の様子は、K-1の公式YouTubeチャンネルで60万回再生以上を記録。他の選手の追随を許さない状況だ。

 注目の的となった会見を「全然もめる気はなかった」と振り返る。「だって6月19日みんなの前でタイマン張れるんでしょ?みんな待ってろよって思ってた。でも俺の射程圏内にきたらやるっす。あのとき蹴ってなかったら何をされたか分からないし。だからやっただけっすね」と説明した。

“ストリート”とはなんたるかも熱弁した。「(会見時の)あの左前蹴りは俺の必殺技っす。ひとつ言えるのは、あれがストリートだったら、倒れたときに馬乗りになって終わってるよって話。うしろも見とけよちゃんとって話。けんかになって足元すべってやられても、それは負けじゃないですか。だから周りを見るのは当たり前っすよ。俺はいきがってもないし、そのままです」

“世紀の一戦”、天心―武尊が注目されるビッグマッチだが、芦澤にとっては「俺のための大会、俺がぶちかますだけの大会」だ。

「しっかりみんなが見たことないもの見せますよ。ただ倒すとかじゃなくて泣かせます。そういう試合にするっすね。何ラウンド(で決着)とかは相手の根性次第じゃないですか。確実に3R内には倒すっすね、1Rでどんどん弱ってくるので、レベルが違う」と豪語した。

 会見ではいきなりオープンフィンガーグローブ(OFG)での対戦を要求され、快諾した。普段とは異なるグローブにも自信をのぞかせる。

「最近練習でOFG使ってるんですけど、最初はむずいなと思った。慣れてきたら『こりゃ、倒せるな』って感じ。そもそもガードしないスタイルなので、OFGだからって何か気にすることはない。俺の方が、OFGが得意なんすよ。俺の方が向いてるっす。みんな分かってないです」

 乱闘はあったものの終始、笑顔が多い。その意外な理由も明かした。

「楽しいっすね。東京ドームでタイマン張れるなんてこと、けんかではないじゃないですか。(YA-MANは)ファイターとしておもしろいっすね。おもしろい試合をするじゃないですか。熱い試合をするんじゃないですか。ただ熱い試合だけってけんかだと思う。けんかが強いやつは熱い試合するじゃないですか。ただそれだけだと思う。俺は格闘技を10年以上やっている。けんかなんかはその辺で見れる。ただのけんかではないんですよ。けんかをはるかに通り越して、格闘技も通り越してるんです。言葉で説明できないんですけど、やばい試合になることは確かっすね。

 相手がYA-MANじゃなかったらこんなにワクワクしないし、日常でワクワクドキドキしないんですよ。こーれはワクワクしますね。YA-MANじゃなきゃ無理っすよ。皇治とかだったらこんなにならないです。あいつには感謝。でも俺が全部食ってやるという話。リングに上がれるのは本物だけ。インチキはできないんでおもしろい。格闘技のそこに魅力を感じている。リングの中にいるのは審判だけなんで。誰も助けてくれない。自分がやるだけなんですよ。格が違う試合するんで、見ててください」

 魅力のようなものをYA-MANに感じている。芦澤自身の楽曲「生きろ」の歌詞に似たメッセージを送った。

「前回の試合でも、あいつ試合が終わってしまうようなダウンの仕方したじゃないですか。そこから立って、倒し返したじゃないですか。だから、あいつもそうだと思うんですけど、死ぬまで、ゼロまであきらめないんです。そういうのを見てる人は魅力を感じるんじゃないですか。ゼロではないのに弱い顔するやつもいるじゃないですか。そういうの、つまんないじゃないですか。あいつはゼロでもくる、そういうやつは気持ちがおもしろいっすよ。ストリートですね~」と白い歯をこぼした。

「格闘技だけだったらイージーです」と自信満々だ【写真:山口比佐夫】
「格闘技だけだったらイージーです」と自信満々だ【写真:山口比佐夫】

「俺の試合は盛り上がるっすね、100%」

 K-1フェザー級(57.5キロ)、スーパーフェザー級(60キロ)を主戦場にしてきた芦澤。今回の契約体重は62キロ、RISEライト級(63キロ)で戦っているYA-MANと直近の試合で比べると2キロの体重差があることになる。

「その差は確かに大きいですけど、俺の方が強いんで。俺と同じレベルのやつに体重差があったらそれは体重差があるやつが有利っすけど。あいつとの体重差は別にOKかなって感じ。余裕で勝てる、イージーファイトって思ってるっすね。前の西元也史を攻略するとかはむずいっす。今回、格闘技だけだったらイージーです」と言い切った。

 ビッグマッチとはいえ、練習も変わらない。「週5で1日1時間軽く練習して、トレーナーと話をしながら疲れたらやらないとかもあります。でも、今回は東京ドームだし、違うなって気はする。俺って、人がいればいるほど良い試合できるし、モチベーションになるんです。小さい会場でやるとなんか上がんないなってなっちゃうんです。みんなバーンすよ、大爆発です」と明かした。

 裏メインとも言われるこのカード。試合順については、「俺が最初にやっちゃったらみんなかわいそうでしょ」と言い放ち、こう続けた。

「俺の試合終わったらみんな帰るっすよ。みんな俺の試合にしか興味がない。今回もそうじゃないですか。武尊と天心は世間でも盛り上がっているから、みんな見るかもしれないですけど、あとのカード……。この2つ以外、別に興味ねーなって。裏メインのお祭り、みんなとは違うっすよ本当に。良かったすよ、目立ちたいし。俺は勝手に目立っちゃうんだよね、本当に。ほかのやつがつまんないのかな」

 最後には「1試合目でもいいですよ、メインカード見たいし。俺が1試合目にやったら終わりっしょ。会場冷めきっちゃいますよ。試合順は任せるっす。俺は選手なんでやるだけ、ただ俺の試合は盛り上がるっすね、100%」と言い残した。

天心vs武尊、芦澤竜誠の予想は?

〇…ENCOUNTではインタビュー実施選手に天心―武尊を予想してもらった。

 芦澤の予想「武尊のKO勝ち」。

「武尊! ん~KO!」

□芦澤竜誠、1995年5月1日、山梨県南アルプス市生まれ。2012年にデビュー。24勝(15KO)12敗1分け。身長175センチ、60キロ。

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