【THE MATCH】海人「日本の格闘技を背負っていくのは僕になる」 “世紀の一戦”後の覚悟

ついに「プラチナ・アンダーカード」の筆頭、海人VS野杁が実現する!【写真:ENCOUNT編集部】
ついに「プラチナ・アンダーカード」の筆頭、海人VS野杁が実現する!【写真:ENCOUNT編集部】

安保瑠輝也じゃなく、野杁正明じゃないと意味がない

 今回の野杁戦の契約体重は68.5キロ。天心VS武尊の契約体重が58.5キロであることを思えば、また、かつて一世を風靡した魔裟斗が活躍した階級が70キロだと思うと、今回の海人VS野杁戦は、比較的馴染みが深いし、見方によっては軽量級よりは見やすいような気がする。これに関して海人は、今後を見据えながらこう話す。

「正直、70キロ、日本人が勝ててないじゃないですか。中量級から重量級になればなるほど外国人の選手が強いし、勝てていたのはあの時代の魔裟斗さんくらいなので、そこを超える新時代を70キロで作っていけるように、僕がしたいなと思っています。それができるのは、中量級では僕か野杁さんかいてないと思っているので。それをハッキリさせたいなって思いますね」

 実は今回の海人VS野杁戦に関しては、興味深い見解を示しているファイターが存在する。かつてはK-1で活躍し、2019年からはRIZINに活躍の場を移した平本蓮である。平本いわく、「海人選手は安保瑠輝也にケンカを売るべきだったんですけど、そこを野杁選手に行ったのは、やっぱ男ですよね」。

「そうですね、強い人と闘わないと格闘家として意味がないし、自分が目指しているのは世界一でしかないので。日本人相手ごときで中途半端をしているわけにもいかないので。僕は日本人で一番強い野杁さんとやって、しっかり勝つことに意味があるので、二番手でもダメやし、三番手でもダメやと思っているので、ここは(安保)瑠輝也くんじゃないですよね。野杁さんじゃないと意味がないと思っています」

 去る5月19日に行われた会見では、野杁戦を「あくまで通過点」と言い切った海人。つまり海人の視線は、すでに対世界へと向かっている。実際、これまでも世界を相手に勝負してきた海人だが、過去に最もインパクトのあった相手は誰なのか。野杁との最強決定戦を前にそれを訊ねてみた。

「それは(2018年9月に闘った)チャムアトーン・ファイタームエタイですね。こんなに強い人がおるんやと初めて思った。初めて何もさせてもらえず負けちゃったので、悔しいとかもなく、こんなに強い人が世界におるんやと思って。だからその試合が自分にとって一番印象的ですね」

 ちなみに当時のチャムアットーンは現役ラジャダムナンスタジアム認定スーパーライト級王者。その相手と海人は65.0キロ契約で対戦し、ほぼ互角の試合で延長までもつれ込むも、延長1Rで2-0の判定で敗れた試合だった。だが、海人はその後、シュートボクシング最大の世界トーナメント「S-CUP」を全試合KOで制している。つまり海人は、世界の壁や高さを知った上で、「最強の敵」である野杁を「通過点」と話していることになる。

 そんな海人に、最後にあらためて野杁戦への意気込みを聞いてみた。

「会見でも言った通り、あくまで『通過点』でしかないので、圧倒的に誰が見ても勝ちっていう姿を見せます。倒すし、見せるし、盛り上げますし、しっかりそれを見せて、日本の代表として世界に向けて戦っていくために、今回も圧倒的に倒したいと思います」

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