仮面ライダー俳優・稲葉友がBL映画で初主演 男に襲われる衝撃シーン「最初は話せなかった」

テレビ、映画、舞台で幅広く活躍し、ラジオパーソナリティーの面も持つ稲葉友(29)が「恋い焦れ歌え」(公開中、熊坂出監督)で映画初主演を果たした。覆面の男にレイプされた男がトラウマを乗り越え、成長していくという異色作で、「(主人公を)死ぬ気で生きた」と振り返った。

映画「恋い焦れ歌え」で映画初主演の稲葉友【写真:ENCOUNT編集部】
映画「恋い焦れ歌え」で映画初主演の稲葉友【写真:ENCOUNT編集部】

稲葉友インタビュー、映画「恋い焦れ歌え」で映画初主演

 テレビ、映画、舞台で幅広く活躍し、ラジオパーソナリティーの面も持つ稲葉友(29)が「恋い焦れ歌え」(公開中、熊坂出監督)で映画初主演を果たした。覆面の男にレイプされた男がトラウマを乗り越え、成長していくという異色作で、「(主人公を)死ぬ気で生きた」と振り返った。(取材・文=平辻哲也)

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 2010年のドラマデビュー後、「仮面ライダードライブ」や主演「ひぐらしのなく頃に」、近作では話題作の映画「春待つ僕ら」「ずっと独身でいるつもり?」などに出演する稲葉。意外なことに、映画はこれが初主演。しかも衝撃作なのだ。

 主人公は妻子持ち、正規雇用への道が開かれたばかりの小学校の臨時教員、桐谷仁。覆面の男にレイプされてしまったトラウマを抱きながらも日常を取り戻そうとするが、ある日、謎の青年KAI(遠藤健慎)が近づき、「犯人は自分だ」と挑発。やがて、桐谷は、女性ではなく、男性が好きだということに気づいて……

「台本を読んで、自分がやれるか? と思いました。熱量と渦巻くものをすごく感じたので。本当に俺でいいのかと自問自答にしました。でも、最初に面白いと思っちゃったので、やらないと、って」

 レイプシーンは物語の序盤にある。「使われているシーンはすごく短いのですが、撮影はすごく長い時間やってもらって、そこでの体験で新たに人物像が組み上がっていきました」。

 演技とはいえ、人権、肉体を奪われる行為は苦痛ではなかったのか。

「最初の頃のインタビューでは、話そうと思っても、話せなかったんです。消極的な意味ではなく、強くしゃべりたくない、と。そんな思いが想像以上で、自分でもびっくりしました。インタビューでも必ず序盤に聞かれますし、しかも、切り取って話すことになるのが、思ったよりもつらかった。稲葉友としては、映画のために話したいんだけども、できない。インタビューの時は聞かれることを“手札”として用意しておくのですが、それだけ“手札”が重い。こんな体験は初めてでした」と振り返る。

 稲葉の役作りは脚本や資料を読み込み、自分でも役について書き記し、現場では一旦忘れて、現場で感じたことを表現するのがルーティン。レイプの演技は重くのしかかったようだ。トラウマから立ち直っていく過程では、幼少期から習っていたピアノとラップも披露。「ヒップホップ、ラップは昔から好きで、入り込みやすかったです。歌唱法に戸惑いがない。どこに思いを込めるのか、方法にもいろいろありますが、そこへの段取りは少なく済んだのは、終わってみてよかったなと思いました」。

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