無所属出馬の乙武洋匡氏、政党に入る可能性について「0%と100%は世の中あり得ない」

今夏の参院選に初出馬することを表明した作家の乙武洋匡氏が20日、都内で記者会見を開き、「この日本を、社会を、より多くの選択肢がある、多様性のある社会にしていきたい」と決意を語った。義足歩行で登壇し、車いすに座って出馬表明。東京選挙区に無所属で立候補する。

乙武洋匡氏は今夏の参院選出馬について思いを明かした【写真:ENCOUNT編集部】
乙武洋匡氏は今夏の参院選出馬について思いを明かした【写真:ENCOUNT編集部】

SNSやYouTubeの生配信を駆使した選挙戦を行っていくという

 今夏の参院選に初出馬することを表明した作家の乙武洋匡氏が20日、都内で記者会見を開き、「この日本を、社会を、より多くの選択肢がある、多様性のある社会にしていきたい」と決意を語った。義足歩行で登壇し、車いすに座って出馬表明。東京選挙区に無所属で立候補する。

 乙武氏は質疑応答に応じた。完全無所属を選択したことについては、「政治的なラベリングのない船の方が、多くの方々に挑戦を応援していただける。とにかくこの苦しかった6年間を支え続けてくださった皆さんに応援していただきたいという思いがあったので、応援していただける枠組みを作りたい。それに尽きます」と語った。

 具体的な政策を問われると、「方向性としては、選択肢を増やすということを基本方針に考えています。既存のメニューだけでは生きづらいと感じている方に、それぞれの方に合ったメニューを用意していく。例えば教育、福祉に選択肢を増やすことを実現していきたい。それぞれの当事者の方々にお話を聞いて、もっとブラッシュアップしてから皆さんにお教えしたいです」。公式サイトを通して随時発表するとした。

 また、当選した場合に今後、政党に所属することはあるのか、という問いにも答えた。「私はもともと、本当にその前例でいいのかどうか、自分でやってみないと納得できない、気が済まない性格です。もし無所属で議席をいただくことができたなら、まずは無所属で何ができるのかできないのか、まずは試してみたいです。そのうえで、どこかに属さないと何もできないと感じるタイミングが来たならば、改めて仲間たちと検討していきたいです」とした。

 さらに、政党に入る可能性について聞かれると、「本当にやってみないと分からないのが正直なところです。ただ、私はこれまで人生を生きてきて、0%と100%というのは世の中あり得ない、絶対にこうする、絶対にこうしないというのはなかなかないことだと思っています。なので、いま現時点で言えることは、当選の場合にどこかの政党に所属することは100%ありません、とは言えないです。逆に、当選した場合、必ずどこかに所属しますとも言えないです。活動してみて、現場で感じたことを糧に判断するのがすべてかなと思っています」と話した。

 今後はSNSやYouTubeの生配信などを駆使した選挙戦を行っていくことを明かした。

「五体不満足」の著者で知られる乙武氏は、2016年夏の参院選にも自民党公認で出馬準備を進めていたが、週刊誌に不倫問題を報じられ、一度は出馬を断念。政界進出は悲願で、今月19日夜に自身のYouTubeチャンネルで出馬を正式表明していた。

 参院選東京選挙区(改選数6)は乙武氏の参戦によって、有数の激戦区となりそうだ。自民党の朝日健太郎氏、立憲民主党の蓮舫氏、公明党の竹谷とし子氏、共産党の山添拓氏といった現職4人に加え、自民が元「おニャン子クラブ」でタレント生稲晃子を擁立予定。立民の松尾明弘氏、日本維新の会の海老沢由紀氏、ファーストの会代表の荒木千陽氏、れいわ新選組の依田花蓮氏ら新人が立候補を予定している。

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