俳優の伊藤健太郎が17日、都内で行われた主演映画「冬薔薇（ふゆそうび）」（6月3日公開）の完成披露上映会に出席。2年ぶりに映画出演となる伊藤は「映画復帰させていただいて、賛否あることは覚悟している。公開するにあたって怖い部分もある」と素直な心境と吐露した。

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　この日は久々の舞台あいさつに登壇。黒いスーツに身を包み、ステージにあがるやいなや満席の光景を見ると瞳を潤ませた。伊藤は「この景色が見たかったとずっと思って過ごしていた……」と話すと言葉を詰まらせ、下を向いて感涙。ファンは大きな拍手で復帰の伊藤を歓迎していた。

　共演した小林薫は「主演が伊藤くんと聞いてこれもなにかの縁と思って、にたっと笑ってしまった。復帰の第1作に呼ばれて、とてもうれしかった」といい、伊藤の母を演じた余貴美子も「すぐ親子関係になれた。いろんな意味で可愛がっていた」とにっこり。クランクイン前は「めちゃくちゃ怖かった」という伊藤だったが、大先輩に囲まれ「今後の財産でしかない」と感謝した。

　また、小林は「伊藤くんと飲もう」と提案し、出演の石橋蓮司、伊武雅刀、笠松伴助らと飲み会を開いたことを明かした。「20代の伊藤くんからしたら、石橋さんは80歳、伊武さんは僕より上で僕は70。笠松くんも50くらいだし、その年齢構成できつくない？　って。どんな気持ちでいたんだろう」と心配すると、伊藤は「めちゃめちゃ楽しかったです！」とにっこりだった。

　ときどき瞳を潤ませながらも笑顔を浮かべる場面も多かった伊藤。写真撮影が終わると、頭を下げながら手を合わせて感謝し、去り際にも深々とお礼をしていた。

　本作は阪本順治監督が伊藤のために書き下ろした、オリジナル脚本でのストーリー。人間の業を切なく儚く描いている。伊藤は、専門学校にも通わず不良仲間とつるみ、友人から金をせびってはダラダラと生きる主人公・渡口淳を演じている。