東大合格者数日本一の開成生が運動会に“命がけ”の理由 磨かれる体力、知力、団結力 

グラウンドの外では植え込みにハチが飛来。警備員が保護者らに注意を呼び掛けていた【写真:ENCOUNT編集部】
グラウンドの外では植え込みにハチが飛来。警備員が保護者らに注意を呼び掛けていた【写真:ENCOUNT編集部】

競技種目の「要領次第」「俵取り」って何?

 それにしても運動会で目を見張るのは身体接触の多さだ。特に壮絶なのが「棒倒し」。アメリカンドッグのお化けのような1本の棒をめぐって攻撃側と守備側が激しく衝突する。上半身裸になった攻撃側の生徒が必死の形相で棒を倒そうと突進すると、守備側の生徒が立ちはだかり抱き着いて外側に押し出す。まさに肉弾戦という言葉がふさわしい過激競技だ。生徒はもちろん競技を見守る保護者のボルテージも上がり棒が揺れるたびに大きな歓声が周辺一帯に広がった。これに刺激されたのかは不明だが、グラウンドの外の植え込みにハチが飛来。同校の施設関係者が現場に急行して交通整理と警戒にあたるなど一時ものものしい空気に包まれた。

 一方、競技の中には見慣れない名がある。「要領次第」って何なのか。こんな競技名は聞いたことがないのだが……。「これは中学生だけが参加する競技でムカデ競争や出前競争、パン食い競争などを行いますが、毎年ルールが変わり着せ替え競争の年もあります。男子校なのでやはり女装が多いようです。“要領次第”ですから体力だけでは勝てません。各チームの知恵や戦略、作戦が勝敗に大きく影響します」(開成OB)

「俵取り」も聞き慣れないが、フィールド上に並んだ11個の俵(重さ100キロ)を自陣に運ぶ競技だ。「押し」「引き」「はがし」といった役割を与えられた参加者が俵を取りに行ったり、相手に取られそうな俵を取り戻したり、取り戻すのが厳しいと判断した場合は諦めるなど全体的な状況を的確に判断して行動する必要がある。体力も使うが、頭脳も総動員しないと勝てない競技のため綿密な作戦を組み立てなければならない。

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