女流雀士・松嶋桃の“苦悩”と“矜持” Mリーグ公式実況としてのこだわりとは?

麻雀実況でのこだわりも明かした【写真:ENCOUNT編集部】
麻雀実況でのこだわりも明かした【写真:ENCOUNT編集部】

「正解がない」実況ならではの悩みも

 麻雀実況は、プロになってから手探りの状態で、正解も分からないまま始めたという松嶋だが、自らの声が「すごく嫌い」だったと吐露する。

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「自分の声がすごく特徴的で、そういう人ってそんなに長い時間しゃべる仕事って向いていないだろうなと思っていたんですよ。声の出し方は苦労しましたね」

 悩みとは裏腹に、実況仕事のオファーが絶えることはなく、試行錯誤を続けた結果「自然に発声するように変わったんです」と明るい声で変化も明かす。

 また、実況そのものへの難しさも日々感じている。「実況という仕事が難しすぎて苦労してます。『今日すごくよくできたー!』っていう日はないですね。正解がないから苦労するみたいな。私以外のMリーグ実況者の小林未沙さんや日吉辰哉さんと話しても、毎回そういった思いを抱えているんだなと感じることがあります」。

 実況のスタイルにも悩みがあったという。「日吉さんや小林さんのように、実況って本当にいろいろなタイプの人がいます。両極端なんですけど(笑)。2人に比べて、私には色がなくて、実況専業の人間でもありません。その意味では、実況単体で見たら中途半端な存在だなと考えたこともあったんです」。

 しかし、そんな自身の“キャラ”をポジティブに捉えるようになった。「色がないことも強みなのかなって最近思うようになりました。日吉さんみたいに『主役の実況』っていうタイプではないですけど、色がなく柔軟に対応できる部分、解説の麻雀プロの方に合わせて柔軟に変えていく部分は大事にしていこうかなと思っています」。

「求められていることを敏感に察知して応える」ことを実況で心がけているという松嶋。視聴者や番組からの「需要」を的確に察知し対応できるからこそ、ファンの一喜一憂に寄り添う実況が生まれ、選手とともにMリーグを盛り上げている。熱い戦いが繰り広げられる対局と、それを支える実況からも目が離せない。

□松嶋桃、1984年9月16日、愛知県生まれ。京都大学法学部卒。同志社大学法科大学院修了。2010年からプロ雀士(日本プロ麻雀協会所属)として活躍中。麻雀プロリーグ戦「Mリーグ」、「RTDリーグ」など数多くの麻雀実況を務める。「パネルクイズ アタック25」30代女性大会の優勝をきっかけに、クイズ番組にも多数出演。クイズ作家の古川洋平氏らによるYouTubeチャンネル「カプリティオチャンネル」にレギュラー出演中。4月25日にはLOFT X Koenjiで開催されるイベント「第一次東京大戦」に出演する。

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