進学校ではダンス部 日芸を中退し女優業に専念する21歳 3つの新人賞はめぐり合わせ

大胆な発想、あっと驚く展開 原作からの「変換が見事だなと思いました」

 最新公開作「女子高生に殺されたい」は、人気漫画家・古屋兎丸の同名コミックが原作。「女子高校生に殺されたい」というゆがんだ欲望を持った人気高校教師が、自らの計画をシナリオ通りに実行するために、教え子たちを巻き込んでいく……ストーリー。大胆な発想、あっと驚く展開に引き込まれる。

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 河合は自身も秘密を抱えるヒロイン真帆(南沙良)の親友あおいを演じた。「最初に原作を読み、脚本を読みました。(2巻の)原作を2時間の映画として大幅に変えていたので、その変換が見事だなと思いました。原作があるキャラクターをやったことはなかったので、監督から『寄せてください』みたいな指示があったわけではないですけど、再現するつもりでいました。あおいが映っているコマを見て、表情や目線の感じを参考にしています」。

 城定監督とは「愛なのに」に続くタッグとなるが、前作同様オーディションで役を手にした。「『愛なのに』は何人かに絞った中で呼んでいただいたという感じでした。結果は後日かなと思っていたら、その場で城定さんが『お願いしたいと思っている』みたいなことをおっしゃってくれたんです。(『女子高校生に殺されたい』は)自分が城定さんの立場だったら、こんなに近いスパンで同じ役者を使わないかなと思ったんですけども、あおい役は面白そうだったし、自分が演じているビジョンも見えたので、とりあえずオーディションを楽しみに臨みましたね」。

 城定監督はピンク映画の鬼才。最近では「アルプススタンドのはしの方」での大ヒットを機に、一般映画でも引っ張りだこだ。「あんまり俳優とは役の話をしない方です。2作とも、キャストの年齢層、中身も全然違いますが、俳優との距離感の取り方がすごくお上手だなと思いますね。演技を直す時はズバッと的確に言うんですけど、わざわざ関係性を築こうというタイプではなく、無駄なことが一切ないんです。でも、こちらから聞いたことには全部答えてくださるので、私はやりやすかったです。とにかくテンポ早くて、百戦錬磨な感じがしました」と振り返った。

□河合優実(かわい・ゆうみ)2000年12月19日、東京都出身。19年デビュー。21年「サマーフィルムにのって」、「由宇子の天秤」での演技が高く評価され、第43回ヨコハマ映画祭最優秀新人賞、第35回高崎映画祭最優秀新人俳優賞、第95回キネマ旬報ベスト・テン新人女優賞、第64回ブルーリボン賞新人賞、2021年度全国映連賞女優賞を受賞。主な出演作に「喜劇 愛妻物語」(20)、「佐々木、イン、マイマイン」(20)、ドラマ「さまよう刃」(21)、舞台「フリムンシスターズ」(20)など。2022年は「ちょっと思い出しただけ」、「愛なのに」、「PLAN75」、「ある男」、ドラマ「17才の帝国」(NHK)、舞台「ドライブイン カリフォルニア」などに出演。

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