子役出身の上原実矩、テレビのAD役で映画初主演 撮影中は寝る時間なし「AD役とリンクした」

小2から子役として活動し、映画「暗殺教室」「来る」「私がモテてどうすんだ」、テレビ東京「ユーチューバーに娘はやらん!」などに出演する若手女優の上原実矩(23)。初主演した中編映画「この街と私」(永井和男監督)が3月4日、東京・アップリンク吉祥寺で公開される。撮影から3年が経ち、ようやく公開される今の心境とは?

初主演映画「この街と私」について語った上原実矩【写真:荒川祐史】
初主演映画「この街と私」について語った上原実矩【写真:荒川祐史】

上原実矩インタビュー、「この街と私」で映画初主演「毎日、反省会みたいな感じでした」

 小2から子役として活動し、映画「暗殺教室」「来る」「私がモテてどうすんだ」、テレビ東京「ユーチューバーに娘はやらん!」などに出演する若手女優の上原実矩(23)。初主演した中編映画「この街と私」(永井和男監督)が3月4日、東京・アップリンク吉祥寺で公開される。撮影から3年が経ち、ようやく公開される今の心境とは?(取材・文=平辻哲也)

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 上原は小2から子役として活躍し、2007年にNHK Eテレ「シャキーン!」でテレビ初出演。10年に「君に届け」で多部未華子の少女時代を演じ、映画初出演を果たした。この「この街と私」が映画初主演となる。本作は、永井監督の実体験を元にしたストーリーで、東京都葛飾区の下町を舞台に、23歳のテレビ番組のADの葛藤と活躍を描く。葛飾観光大使のLiLiCoや芸人の大西ライオン、川原克己(天竺鼠)、ですよ。、大溝清人(バッドボーイズ)も出演。地域発信型映画として製作され、19年4月の沖縄国際映画祭で初上映された。

「撮影はちょうど3年前の2月でした。ようやく公開ですが、この間でいろいろと変わった部分もあったので、恥ずかしいというか、どういう気持ちでお届けしていいのかなと戸惑っている部分もあります。自分がたくさん映っているので、客観的に見られないんですよね。これまで主演の方のふるまいを見てきたので、ちゃんと核になっていないといけないと思ったり、手探りでやりましたが、毎日、反省会みたいな感じでした」と明かす。

 主人公はお笑い番組に携わりたいという夢を持ちながらも、理想と現実のギャップに戸惑い、奮闘する23歳のAD、村田美希。「置かれている状況は少し違いますが、組織の中にいて、一番下。番組のビジョンがあっても、実際の自分はそれに追いつけない。そんなことは、この年に限らず、いろんな方にあることだと思うんです。撮影は4日間で、寝る時間もあまりなくて、ある意味、AD役とリンクしました。43分と短いですし、気軽に見ていただいて、こういう時期ってあるよな、とか、周りにいる人たちのおかげで、自分が成り立っているんだなと感じてもらえれば」。

 ヒロインの抱えた思いは、上原も同じだったという。「こういう仕事をやりたい、こういう芝居をやりたい。でも、そこに到達できていない気がする。あんまり自己肯定感もなく、そのギャップにちょっと苦しんじゃったんです。若さゆえだと思いますが」と当時の思いを起こしながら語る。

 撮影から3年、さまざまな状況の変化もあった。コロナ禍で考えたことも、周りから刺激を受けたことも。「今いるマネジメントチームには監督がいたりとか、別の世代の俳優さんがいたり、そういうところから受ける刺激っていうのは大きかったんですね。これまでは、役者目線で関わってきたわけですけども、監督と話したりして、作品のもっともっと深いところまで考えています。クリエーティブの深い部分にも興味を持つようになりました」。

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