岩井監督&三島監督、新型コロナ流行でも満席に感謝 「Red」公開記念トークショー

「ラストレター」の岩井俊二監督と「Red」の三島有紀子監督が26日夜、「Red」が公開中の東京・新宿バルト9でスペシャルトークイベントを行った。

三島有紀子監督と岩井俊二監督がトークショー
三島有紀子監督と岩井俊二監督がトークショー

岩井俊二監督がNHK退社の三島有紀子監督の“決断”に驚き 「何もかも、かなぐり捨てることはあるんだな」

「ラストレター」の岩井俊二監督と「Red」の三島有紀子監督が26日夜、「Red」が公開中の東京・新宿バルト9でスペシャルトークイベントを行った。

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 新型コロナウイルスの感染が拡大しているが、配給会社は慎重に協議を重ねた結果、「通常興行後のイベントでもあり、より作品の魅力を知ってほしい」として開催を決定。観客も劇場もマスク着用やアルコール消毒など対策を講じてのイベントとなった。岩井監督は「お寒い中、ウイルスが蔓延する中、お越しくださってありがとうございます。もっと少ないかと思ったんですが、満員とは素晴らしいです。命知らずが集まったので、気合を入れたい」と会場を和ませると、三島監督も「こんな中、映画館に来てくださり、さらにはトークイベントにも残ってくださり嬉しいです」と感謝した。

 2人の縁は三島監督のNHK時代からという。三島監督は「フロアディレクター時代に、岩井監督にはお目にかかっていましたが、その時は声をかけられなかった。岩井さんがムーンライダーズのショートフィルムを撮った時に志願して、メイキングを撮らせていただいた。岩井さんの眼差しが凄くて、岩井さんばかり撮っていたら、『岩井さんばかりだね』と指摘されるほどでした」と振り返った。

 一方の岩井監督は「NHKからフリーの映画監督になるのは大変だったと思う。僕の後輩はNHKにいるけれども、2度、(芸能人と)写真週刊誌に撮られた。僕は『辞めたら』と言ったけれども、後輩は辞めない。だから、NHKはいいところなんだと思う」というと、三島監督は「NHKは正直、お給料もいいし、環境も整っていました。でも、私が好きなのは映画で、どうしても映画が撮りたかったんです」と熱い思いを口にした。

 それを聞いた岩井監督は、ヒロインが10年ぶりに再会した元恋人(妻夫木聡)との愛を貫こうとする姿を描く「Red」になぞらえ、「凄いな。夏帆ちゃん演じるヒロインの姿は三島さんの話に近いですね。何もかも、かなぐり捨てることはあるんだな。常軌を逸しているけれども、その説得力は計り知れない。その輝きを掴んでしまったんだな」と、三島監督の選択に納得していた。

 2人は映像術、演出術、音響術をテーマに監督ならでは、のトークを展開。最後に、岩井監督は「本日は大変な中をお越しくださりまして、ありがとうございます。本当に魅力的な映画だと思いますので、お友達に凄い映画を観たよ、と宣伝してください」。三島監督は「岩井さんを追いかけて、映画を撮っていた自分がこうしてトークイベントを開催できたことが感慨深いです。その頃の自分に耳打ちしたい気持です。そして、たくさんの方がいろいろある中、劇場に来てくださったのが嬉しいなと思います。映画を観て、イヤだなと思うことがあっても、自分の尺度でみなさんの感想を広げてください」とPRしていた。

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