「私の生きざまを見てほしい」 STU48矢野帆夏、ブレない恩返しの思いと目覚めた自覚

瀬戸内7県を拠点とするアイドルグループ「STU48」の1期生・矢野帆夏は、持ち前の歌唱力だけでなく、ドラフト3期生・2期生の良き先輩として、存在感を高めている。グループを支える中心人物の1人となった背景には、卒業メンバーから託された思い、それによって目覚めた“自覚”があった。

「STU48」矢野帆夏【写真:山口正人】
「STU48」矢野帆夏【写真:山口正人】

2021年は新たなことに挑戦し続けて飛躍

 瀬戸内7県を拠点とするアイドルグループ「STU48」の1期生・矢野帆夏は、持ち前の歌唱力だけでなく、ドラフト3期生・2期生の良き先輩として、存在感を高めている。グループを支える中心人物の1人となった背景には、卒業メンバーから託された思い、それによって目覚めた“自覚”があった。(取材・文=小田智史)

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 母親がオーディションに応募したのがきっかけで、高校生だった2017年3月にSTU48の1期生メンバーとなった矢野。5年の月日を経た今でこそ、シングルの選抜メンバー常連となり、ラジオ番組のレギュラーや生まれ故郷である江田島市の初代広報大使を務めるなど活躍の場を広げているが、加入当初はアイドルとしての自分に思い悩み、涙したこともあった。

 2020年1月発売の4thシングル「無謀な夢は覚めることがない」で16人体制初の選抜入りを果たすまで、「自分にしかできないこと」にフォーカスして活動してきたなかで、ファンからかけられたある言葉が、“もっと上を目指そう”と言わんばかりに矢野の背中を押した。

「矢野帆夏じゃないとできないお仕事をしたい、とずっと思っていました。(ラジオの)オールナイトニッポンに出させていただいたこともうれしかったし、たとえ選抜じゃなくても、自分なりにそういうことはできていたのかなって。でも、ファンの方が(選抜に入れなかったことを)私以上に悔しがってくれました。『もっと悔しがって』と言われたときに、私も同じ気持ちじゃないとダメだって。ファンの方が愛のある言葉で気づかせてくださって、上を目指そうと思いました」

 ファンとの絆が一層強まったこと、少しずつ自分に自信が持てるようになったことで、矢野の活動範囲も広がった。2021年はSTU48の6thシングル「独り言で語るくらいなら」、7thシングル「ヘタレたちよ」で選抜入りしたのに加え、「第3回AKB48グループ歌唱力No.1決定戦」のファイナリストLIVE出演メンバー9名によるユニット「Nona Diamonds」の一員としてオリジナル曲をリリース。江田島市広報大使として念願だった初のリアルイベント開催も実現し、飛躍の1年となった。

「加入5年目なので、自分が必要だと思ってもらえる要素を増やしていきたいと思って、2021年は新しいことにいっぱい挑戦しました。初選抜のときは、ファンの方が必死に押し上げてくださった感じでした。今は私の意思をファンの方に伝えて、それについてきていただいているイメージ。『ちゃんとしなきゃ』という自覚と責任感が違うと思います」

次のページへ (2/4) 卒業メンバーから受け取った思い
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