東京男子御三家・開成中で入試 受験生のマスクに禁止事項 「格言」「四字熟語」の印刷不可

新型コロナウイルスの新変異株であるオミクロン株が猛威を振るう中、東京と神奈川では1日から私立中学校の入学試験がスタートした。

私立中学校の入学試験がスタート。男子御三家最難関の開成中でも実施された【写真:ENCOUNT編集部】
私立中学校の入学試験がスタート。男子御三家最難関の開成中でも実施された【写真:ENCOUNT編集部】

保護者は子どもに対し細かい体温チェックが必要

 新型コロナウイルスの新変異株であるオミクロン株が猛威を振るう中、東京と神奈川では1日から私立中学校の入学試験がスタートした。

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 高等部の東大合格者数全国トップで男子御三家最難関の開成中(東京・西日暮里)では、午前7時過ぎごろから受験生と付き添いの保護者が続々と集まり始め、同校第2グラウンドには長い蛇行の列ができた。受験生は同7時30分から8時10分の間に受験室の座席に着席。8時30分から国語(50分)、算数(60分)、理科(40分)、60分間の昼食時間後に社会(40分)の各科目試験に挑んだ。開成中の入試は、午前中の各科目試験の間に40分間の休み時間をとっているため全科目の終了は午後2時となった。

 子どもが着用するマスクは筆記用具の取り扱いに準じており公式、和歌、格言、四字熟語などが印刷されたものは不可。試験中の受験生の体調変化についても万全の注意を払っている。1時間目の開始以降に具合が悪くなり、接触型体温計による検温結果が37.5度以上となった場合、別室で受験を継続する。受験の継続が難しい場合は、試験の途中棄権と判断し追試験の受験資格もない。いずれも保護者の緊急連絡先に電話がかかってくるので保護者は迎えに行かねばならない。保護者にとっては子どもの体調管理に相当の注意を払う必要がある。

 試験が終わるまで受験生は試験会場から出られないため保護者は子どもに弁当や飲食料品を持たせた。校内に保護者控え室はない。子どもの背中を見送った保護者は校舎裏手にある向陵稲荷神社に続々と詰め掛け、子息の開成合格を真剣な表情で祈願していた。案内板によると、同神社が主神とする向陵稲荷大明神は家内安全、商売繁盛、学業成就の神。薄暗い境内にはネコが数匹住み着いているといい、時折街ブラ系SNSで紹介されている。

 一方、同校は感染拡大を受け受験機会の確保のため追試験要項(1月29日改定)を発表した。追試験は23日に設定しその受験条件を次のように変更した。

(1)受験生は入試当日朝に自宅で検温し体温が37.5度以上あった場合、この日の受験はできない。その場合は必ず午前7~8時までに同校に連絡する。

(2)入試当日、受験生は会場入り口のサーモグラフィーで検温し、体温が37.5度以上と計測された場合は接触型体温計による再検温を実施し再度37.5度以上あった場合はさらに再々検温を行い、なおも37.5度以上あった場合、この日の受験はできない。その場合は緊急連絡先に連絡が届く。

(3)受験生の同居の家族が新型コロナウイルスに感染し受験生が濃厚接触者に認定される可能性が高いような場合、受験はできない。当日午前8時までに同校に連絡しなければならない。
 
(4)受験生に発熱等の症状がありPCR検査を受けた結果判定が当日午前8時以降になるような場合、受験はできない。当日午前8時までに同校に連絡しなければならない。

(5)1日に受験生本人が新型コロナウイルス感染症に罹患(りかん)している場合、もしくは濃厚接触者に特定されている場合、1日の受験はできない。連絡時間は当日午前8時まで。

 開成中では「すべての受験生の方の安全を守るため」として保護者や受験生に協力を呼び掛けた。同校同様、入試を実施する多くの学校で面接の中止や追試の実施など土壇場の対応に追われている。

次のページへ (2/2) 【写真】開成中の校舎裏手にある向陵稲荷神社の様子
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