夢は「さんま御殿」で親子共演 ウルトラマン俳優の父はレスリング元日本代表

俳優の平野宏周が、映画「ウルトラマントリガー エピソードZ」(3月18日全国公開)で「ウルトラマンZ」のナツカワハルキ役として画面の前に帰ってくる。「ウルトラマンZ」放送から1年、ヒーロー役を経て本格的な俳優への道を歩み始めた2022年期待のネクストブレーク。前回は俳優としての真っすぐな思いを聞いたが、今回は彼の生い立ちから影響を受けた父親の話までたっぷりと話してもらった。

2022年期待のネクストブレーク平野宏周【写真:山口比佐夫】
2022年期待のネクストブレーク平野宏周【写真:山口比佐夫】

「ウルトラマンZ」平野宏周に大きな影響を与えた父

 俳優の平野宏周が、映画「ウルトラマントリガー エピソードZ」(3月18日全国公開)で「ウルトラマンZ」のナツカワハルキ役として画面の前に帰ってくる。「ウルトラマンZ」放送から1年、ヒーロー役を経て本格的な俳優への道を歩み始めた2022年期待のネクストブレーク。前回は俳優としての真っすぐな思いを聞いたが、今回は彼の生い立ちから影響を受けた父親の話までたっぷりと話してもらった。(インタビュー・文=福嶋剛)

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――平野さんは幼いころからさまざまなスポーツをやってきたそうですね?

「はい。中学生まで野球と水泳をやっていて、足も速かったので横浜市の陸上大会にも出たことがあります。高校はアメリカンフットボールのクオーターバック(=QB)をやっていて神奈川県でベスト4まで進みました。今は格闘技も大好きでキックボクシングも少しやっています」

――スポーツ熱心なのはご両親の影響ですか?

「そうですね。父が大学のころレスリングで日本代表だったんです。現在は大学でレスリングを教えているのですが、相変わらずトレーニングに励んで鍛えています。だから大みそかはいつも格闘技の試合を見ています」

――運動神経抜群で子どものころからモテたんじゃないですか?

「いやあ……『そうでした』ってことにしておいてください(笑)」

――昨年、役者さんたちによる野球とエンターテインメントショーをミックスした「ACTORS☆LEAGUE」にも参加されました。野球はどのポジションを守っていましたか?

「野球は3つ年上の兄の影響で幼稚園からやっていて主にキャッチャー、サード、セカンドで、ほかにもすべてのポジションを経験しました。小学生のころは地域の選抜に選ばれましたが、体が小さくて中学に入ってどんどん周りに追い抜かれて補欠になってしまい。一方で3つ上の兄はいろんな高校からスカウトされて、どうしても兄と比較されてしまうので挫折して、中学3年でやめたんです。そしたら急に体が大きくなって(笑)」

――アメフトを始めたきっかけは?

「高校に入った時、アメフトの部員数が少なくて地元の先輩に誘われたんです。今だから白状しますが、髪の毛を伸ばせるスポーツをやって女の子にモテたいっていう下心がありました(笑)」

――やってみていかがでしたか?

「毎日めちゃくちゃ楽しかったです。いろんなスポーツをやってきた中でアメフトが一番面白かったですね。僕はQBをやっていたんですが、相手チームによって作戦を変えるんですけど、何十通りもある攻撃パターンを覚えて試合前に僕が合言葉を決めていくんです。例えば“ゴジラ”と言ったらランニングバック(=RB)はBコースを走るとか、ガードは飛んでくださいとか。細かい作戦の指示を全部出していました。そのために部員と常にコミュニケーションを取らなくてはいけないので、それぞれの役割の中で自分がどう動いていけば良いのか、チームとしての組織の重要さみたいなものを学びました。これは今の役者としての活動にダイレクトに生かされているんです」

――ぶつかり合いでケガも多かったのでは?

「そうでしたね。結構走るタイプのQBだったので、自分から当たりに行って手には今でも大きな傷が残っていますし、骨折は何回も。県大会の準決勝で左手を骨折したんですが、他にメンバーがいなくて次の3位決定戦に包帯をグルグル巻きにして試合に出ました」

――それだけやりがいがあったんですね。先ほど役者にもつながっているというお話でしたが?

「はい。『ウルトラマンZ』の主役になった時、僕の中でアメフトのQBみたいな存在と重なったんです。例えばアメフトで言う『ライン』というポジションは直接ボールに触れてはいけないのですが、チームとして1人でも欠けたら試合を作れないとても重要なポジションなんです。これは撮影に置き換えるとまさに制作さんや技術さんといった裏方のスタッフさんに当たるなって」

――なるほど。アメフトのチーム編成と制作チームの編成がそのまま置き換えられると?

「そうなんです。アメフトのQBって見た目は花形のポジションなんですが、そうやって分業化されたプレーヤー全員と気持ちを一つにしないと試合に勝てないんです。だから主役って決して偉いわけじゃなくてあくまで主役というポジションなんだって気が付きました。

 もちろんウルトラマンZがスタートしたころは何も分からなくて右往左往していただけなんですが(笑)。でもアメフトってボールを持った人じゃないと注目されないんですが、そのプレーの裏には他の選手たちの見えないところでのファインプレーの積み重ねがあってこそ成立するので、陰の存在って大事なんですよね」

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