【RIZIN】朝倉未来と対照的な“静かな勝負師” 斎藤裕の自信の源「試合見た人がどう感じるか」

公開計量での斎藤裕【写真:山口比佐夫】
公開計量での斎藤裕【写真:山口比佐夫】

注目の決戦「総合(MMA)の素晴らしさをたくさんの人に見てもらえる機会」

 今年の大みそかNO.1注目カードと言えるのかもしれない。ただでさえ注目度の高い大みそか決戦。そして朝倉戦には、純粋な格闘技ファンだけじゃない、視聴者からも熱い視線が注がれることになる。さいたまスーパーアリーナには2万人を超える観客が詰めかける予定だ。斎藤自身にも覚悟がある。

「この試合について、榊原さんとも話して、視聴率として勝負したいと(話していた)。朝倉選手と試合するということで、総合(MMA)の素晴らしさをたくさんの人に見てもらえる機会かなと。いろいろな広め方がある。正しい形で世に出せる大きなチャンスだと思っています」

 自身も15歳の時に見た、ボブ・サップとアーネスト・ホーストのぶつかり合いに魅了され、格闘技の世界に足を踏み入れた。

「試合をしたのを見た人がどう感じるか、届いてなんぼ、見てもらってなんぼ、感じるものがあれば人の心は動く。小さいこどもたちも含め、少しでも感じてもらえるものがあればいい」

 10月24日のRIZIN.31では牛久絢太郎の飛び膝蹴りを顔面に受け、右眉の上をカット。ドクターストップで敗れ、フェザー級のベルトを失った。怪我の状態は「何とも言えない」。強い衝撃を受ければ、再び出血する可能性は否めない。「それも含めて試合。切れたら仕方ないです」と受け止めている。弱点を突かれることも織り込み済みだ。

 そんな状況でも、斎藤は冷静に、それでいて自信を隠さない。

「前回5分×3ラウンドやっているので、より朝倉選手のクセ、攻め方、得意なところ、苦手なところ、理解しているつもりです。それに対しての自分の動きを作っていく。試合を作っていく。いくつもバリエーションを考えている。石渡さん(伸太郎)とずっと研究して、対策してを続けている。

 自分が決めた作戦通り進めていった先に、一本、KOがあると思う、5分3ラウンドの中で相手と対峙して作戦を出せるか。相手も対策立ててくる、その駆け引き含めて攻防を見てもらいたいですね」

 リベンジに燃える朝倉を返り討ちにするのか――。自信が見え隠れする斎藤の口ぶりから、一瞬たりとも目の離せない試合になることは間違いない。

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