RIZIN王者・浜崎朱加に挑むMMA5戦目の“超新星”伊澤星花「RIZINとJEWELSの2冠王になりたい」
DEEP佐伯繁代表「浜崎戦は1年早いかなあ」
伊澤に対し、「大みそかの勝敗にかかわらず、来年の目標は?」と聞いてみた。
「来年はRIZINのベルトを取りたいし、4、5試合はしたいです。たぶん、DEEP JEWELSストロー級タイトルの防衛戦もできると思うので、RIZINのベルトとダブルで取りたいですね」
そう言って来年の目標を2冠王と掲げた伊澤。それにしても5戦目で頂点にいる浜崎に挑むのはなかなかすごいが、伊澤にとっては「私の実力からすれば普通です」という話なのか。
「そうですね。超新星なので(笑)」
照れ隠しなのか、そう言って気さくさを感じさせるように笑った。この辺は無邪気さがあって好感がもてる。
最後になるが、伊澤を送り出したDEEPの佐伯繁代表のコメントを紹介する。
「まずはどこまで伊澤選手が万全な状態なのか。パク・シウ戦の時のヒザのケガもあるから、どこまで回復しているのかなあっていう部分と、僕のイメージでは浜崎戦に関しては1年早いかなあって。(伊澤)本人には失礼かもしれないけど、もうちょっと経験はさせたかったかなあっていう。おそらく浜崎選手以外の相手であれば、伊澤選手でもある程度はできると思う。っていうのは、浜ちゃんに関しては強いし、正直言って、浜ちゃんの牙城を崩せる選手は、まだ見えない気はしますけどね」
佐伯代表はこう言っていたが、記者はこのカードを初めて聞いた時、他のどのカードよりも興味をそそられた。通常であれば、RIZIN王者の浜崎の相手に、いくらDEEP JEWELSのストロー級王者とはいえ、MMAのキャリア4戦のファイターはあり得ない。とくに昨今のMMAは、似たようなキャリアであり、似たような戦績の者同士が闘うのが通例だからだ。
つまり、本来であれば実現しない対戦カードを大みそかの大舞台に持ってきた時点で、それこそが「非日常感」や「前代未聞感」を自然と醸し出していく気がした。
もしも、浜崎が敗れることがあれば、女子格の順列や生態系が大きく変わるし、それをさせまいと浜崎がいつも以上の力でたたきのめせば、いかに横綱が強いのかを満点下に示すことができる。
この図式は、同じキャリアや同じ戦績同士のファイターでは見ることができない。そんなリトマス試験紙的なカードを大みそかに実験する点は、非常に心憎いと思う。
果たしてRIZIN王者か超新星か。答えは大みそかに出る。