劇団四季、細田守「バケモノの子」をミュージカル化 “異世界”表現のコンセプトアート公開

劇団四季の新作オリジナルミュージカル「バケモノの子」の一端が垣間見える、舞台セットのコンセプトアートが公開された。ビジュアルイメージの描画を担当した石原敬氏のコメントも到着した。

劇団四季「バケモノの子」メインビジュアル
劇団四季「バケモノの子」メインビジュアル

細田守「バケモノの子」がスタジオ地図作品初となるミュージカル化

 劇団四季の新作オリジナルミュージカル「バケモノの子」の一端が垣間見える、舞台セットのコンセプトアートが公開された。ビジュアルイメージの描画を担当した石原敬氏のコメントも到着した。

 JR東日本四季劇場[秋]にて、2022年4月30日に開幕する同作は、劇団四季史上、最大規模の新作オリジナルミュージカル。原作は、15年公開の細田守監督による大ヒットアニメーション映画「バケモノの子」で、細田監督の拠点であるスタジオ地図作品のミュージカル化は本作が初となる。

 舞台は、バケモノたちの住む異世界と東京・渋谷。母親を亡くし、孤独に生きていた9歳の主人公・九太は、バケモノの熊徹に出会い、強さを求め彼に弟子入りすることを決める。多種多彩なバケモノや祝祭感あふれる異世界、迫力の戦闘シーンなどを表現するため、特殊メイクやパペット、アクション、マジック、映像などあらゆる分野のクリエーターが集結し、壮大な物語を演劇ならではの表現で、圧倒的なエンターテインメント性を持って描く。

 作品を通して表現されるのは、熊徹と九太――2人の相互成長と、まるで本当の親子のような固い絆、加えて、己のアイデンティティーを模索し葛藤する九太の姿だ。熊徹や周囲の人々に支えられ、力強く成長する九太の姿は、自分は何者なのかという問いに対し、大切な誰かと手を携えて力強く人生を歩んでいくことの価値を教えてくれる。未来への不安が拭えない今だからこそ、届けたいメッセージが込められている。

 今回公開されたコンセプトアートは、バケモノの世界・渋天街(じゅうてんがい)を、「少年・九太がこの舞台上の街に迷い込んだら…」という想定で、本作の装置デザインを務める石原氏がビジュアルイメージを描画。九太目線で捉えられた、バケモノたちが住む“異世界”が、鮮やかに表現されている。

 以下は装置デザイン 石原敬氏(BLANk R&D)のコメント。

「『渋天街』を舞台美術として描くにあたり、最も意識したことは『バケモノたちが住む、文字のない異世界』であるということでした。

 私たち人間は文字や記号を頼りに、つまりは“視覚”で情報を得て物事を判断しています。それでは、文字に頼らないバケモノたちは、何で判断しているのだろうか。それは、“五感”ではないかと。特に都会にいると忘れてしまいがちな自然の匂い。食べ物に限らず花、土、布、それぞれの持っている匂いで、街をあふれさせたいと考えました。

 また、私たちが生きている世界では、構造物として、一面青色という場所は身近にありません。真っ青で囲まれた空間を『渋天街』のモチーフにすることで、お客様を異世界に引き込むことができたら、とてもうれしく思います」

 本作のチケットは22年2月5日より一般発売が開始される予定。

次のページへ (2/2) 【写真】劇団四季の新作「バケモノの子」コンセプトアート
1 2
あなたの“気になる”を教えてください