“漫才日本一”を決める「M-1グランプリ2021」の決勝が19日、東京・六本木のテレビ朝日スタジオで行われ、「錦鯉」が最終決戦で7票中5票を集め、6017組の頂点に立った。優勝後の取材に応じた長谷川雅紀と渡辺隆は、お互いや周囲への感謝、そして漫才への思いを熱く語った。

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　優勝が決まると50歳の長谷川と43歳の渡辺は強く抱き合い、大号泣だった。優勝決定から数分後、トロフィーを抱え、会見に登場した2人は感謝の気持ちを口にした。以下、会見の一問一答。

――率直に今の気持ちを教えてください。

渡辺「夢のようで、まだ全然実感が湧いていないですね。本当に現実かな？　と」

長谷川「2本ネタをやりたいなというのと、優勝は狙っていましたけど、最終的にはどういった結果なのかというのはもちろん分からなかったので。優勝することができて、結果が出たときに、相方の渡辺隆がですね、僕に抱きついてきて、耳元で『ありがとう』って言ったんですよね。それで涙があふれて出てきちゃって。普段、人にありがとうって言う人じゃないから……」

渡辺「やめろよ。言うわ。よく言ってますよ、僕は」

長谷川「だから、余計にギャップで。耳元で『ありがとう』と言われたから、そりゃ涙もあふれますよ」

――抱きつかれる前はずっと仁王立ちで掲示板を見ていた。そのときの心情は。

長谷川「これはもう誰が優勝してもおかしくないし、本当に分かりませんでしたね。2本ネタをやって、決勝いったのも初めての経験で、ボードを目の前で見たのも初めて。いろんなことを考えようとしたんですけど何も考えられなかったですね」

――生放送直後にファイナリスト同士が抱き合って声をかけ合っていた。

渡辺「『本当におめでとう』と全員から言っていただいて。それを聞いたとき、『あ、優勝したんだな』と実感がちょっと湧きました」

――午後6時30分から始まったファイナルの戦い。この時間はどう過ごした？

渡辺「本当に『もう漫才をやるだけ』しか考えていなかったんで。意外と一瞬で時間が過ぎちゃったなって感じがしますね」

長谷川「僕は、前回出させていただいたときに、出番が9番目だったんですよね。結構自分の思いとしては『もっと早く出たい』と思って、今回は5番より上（先）に出たいなと思っていたんですよね。ところが、けっこう遅めになって、結局8番。もっと早く出たかったなという気持ちでした。でも、普通に見て楽しんでいましたね」

――審査員からは絶賛が相次いでいた。

渡辺「去年、松本（人志）さんにパチンコのネタを『パチンコやらないから分からない』と言われたので、合コンはやっているかなと思ったので、合コンを題材にネタを作ってみたんですけど。それでいい結果が出たので、やっぱり分かりやすいネタを作るのがいいかなとは学びました」

長谷川「今回、初めて（所属事務所）SMAの先輩のハリウッドザコシショウ、バイきんぐのお2人に直にネタを見てもらったりとかアドバイスをもらったりとかして、それが本当につながったと思っています。本当に感謝しかない」

――いま一番、誰にどのように伝えたいか。

渡辺「僕は一緒に住んでいる父に伝えたいですね」

長谷川「僕は相方の渡辺隆ですね。一番って聞かれたら、感謝しているのはやっぱり相方です。錦鯉を結成するときに、渡辺隆は33歳で、僕は40歳だったんです。僕は前のコンビを解散して『もう潮時かな』『辞め時かな』と思って、もうやめようかなと思っていたときに声をかけてもらって、錦鯉を40歳で結成して、あのときから歯車が動き始めて。時間はかかりましたけど、いまこうして50歳でこういった形になったのは、本当に渡辺隆に感謝ですよ」

渡辺「ありがとうございます。組んでよかったですね」