ガキ使は「青春そのもの」 番組支えて23年…ナレーター・山田真一氏の変わらぬ情熱

ダウンタウンへの憧れを語った山田真一氏【写真:ENCOUNT編集部】
ダウンタウンへの憧れを語った山田真一氏【写真:ENCOUNT編集部】

ナレーターは視聴者の期待値を上げるのが仕事

 そこから2回、3回と続いて、気がつけばあっという間に23年がたちましたね。有名なフレーズになった「ショウヘイヘーイ!」は、2006年に笑福亭笑瓶さんをオーディションするレギュラー放送の企画で誕生しました。あれは、当時のディレクターさんが長いバージョン、短いバージョン、テンションの上げ下げ……と、一個一個細かく指示されました。これは僕の推測ですけど、おそらく松本(人志)さんが「こういうシーンでこういうのを使いたいから」と、事前にディレクターさんに伝えていたんだと思います。

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 録っている最中は、正直何のことか分からず読んでいましたが、実際にオンエアを見てみると、「なるほど、ここで使うんだ!」って感心させられます。「ショウヘイヘーイ!」に至っては、レギュラー放送の7~8年後に「笑ってはいけないシリーズ」で復活して人気になるんですから、その時には疑問に思っても、ひとつひとつ真剣にやらなければと、気を引き締め直しました。

 長年やっていて、1度だけ困ったことがあります。それが1999年に放送された「顔面悶絶!!ガキの使いブサイクカレンダー」という回。スタッフさんたちが番組カレンダーに使う写真を撮るためにひどい目にあうんですが、途中で笑いが止まらなくてまともに読めなくなっちゃって。ディレクターさんも、結構怒っていたと思いますね。DVDで出してくれないかな(笑)。

 ナレーションで注意していることは、とにかく出演者の邪魔をしないこと。主役は芸人さんで、あくまで僕はガイドであり案内役。「これからなにか面白いことが起こるぞ」と、視聴者の期待値を上げるのが仕事ですから。

いまだに“日本一ナレーションしたい番組”

 ダウンタウンさん、ココリコさん、月亭邦正さんとは、スタッフが集う年明けの「山-1グランプリ」のときに、毎年ごあいさつさせてもらっています(※近年はコロナ禍で行われていない)。正直、ごはんの味もよく分からないぐらい、1年で1番緊張する日です。突っ込んだ会話はしないのですが、みなさんも認識してくれていると思います。

 やっぱり「ガキ使」ってスゴいんですよね。先日も、行きつけのお店で友人とご飯を食べていたんですが、たまたま隣に座っていた30代ぐらいの人と会話して、僕がナレーションをやっていることが分かった途端、ものすごく食いついてきて、終始その話をされましたからね(笑)。実際、僕にとっても青春そのもの。なにせキャリアの半分以上携わっているんです。死ぬまで続けたいですし、いまだに“日本一ナレーションしたい番組”ですよ。ダウンタウンさんと「ガキ使」が存在する時代に生まれてよかったと心から思っています。

 でも、僕がいくらやりたくてもオファーがないとできない世界なので、毎回真剣ですよ。定期的に「ものごっつ8歳!」(「8歳なりきりコンテスト」)「メッチャええ子!」(「ええ子率グランプリ」)といった、テンション高めな依頼が来るので、そういうときは前日にタンパク質を多めに取ったりして、体調に気を遣っています。終わった後は100メートルダッシュを何本もやっているような感覚に襲われますから(笑)。

 今年も「笑ってはいけないシリーズ」去年の放送回がDVDで出るので、それを見てみなさん年末を過ごしてほしいですね。個人的にですが、来年は「ききシリーズ」やコロナでできなかった「街ブラツアー」も復活してほしいなあと思っています。

□山田真一(やまだ・しんいち)兵庫県出身。青二プロダクションに所属し、1992年にアニメ声優デビュー。「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!」のほかにも、「勇者王ガオガイガー」「くりぃむクイズ ミラクル9」「ラヴィット!」「THE TIME,」など、出演作は多数。

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