“市川姓”許された女性伝統芸能者の挑戦 十二代目團十郎さんの思い受け継ぐ市川櫻香

伝統芸能や古典を広く伝えるための公演「古典の日」を開催

 5日開催の公演「古典の日」は、11月1日が「古典の日」と制定されていることを周知し、伝統芸能を伝えていくイベントだ。「古典の日」は2008年11月1日に、「源氏物語千年紀」を言祝いで制定された。この制定の2か月前に、團十郎さんは源氏物語千年紀「十二代目市川團十郎の描く源氏物語、上賀茂神社奉納舞踊」を監修。「むすめ歌舞伎」によって同作の演目「第十二帖、須磨」が京都・上賀茂神社に奉納されている。

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――「古典の日」も團十郎さんと関わりがあるのですね。

「当時(2008年)、先生が私たちに『源氏物語の須磨の場面を上賀茂神社で奉納する』というお話をくださいました。今思うと『古典の日』を法律化して、国民に『日本の古典を大事にしてもらえるように』と、お話をくださったのだと思います」

――今回の公演も、團十郎さんの思いを受け継いでいるのですね。

「先生は『古典の日』制定のためにご尽力されておられました。あんなにお忙しい人が会議にお出になられて。そのことをつい最近知りました。しかも当時は2度目のご病気を発症されてお体も大変でした。『古典の日や伝統芸能を守って伝えていきなさい』という思いを受け継がせていただき、至りませんが今回『古典の日』を開催することにしました」

(中編に続く)

□市川櫻香(いちかわ・おうか)家業が伝統芸能の普及と邦楽の師匠であり、四代目に生まれる。1983年、女性芸能者で歌舞伎を行う「名古屋むすめ歌舞伎」を設立。故・十二代目市川團十郎の指導を受け、92年、市川宗家より市川性を許された。2002年、演奏家・役者ともに女性による「むすめ歌舞伎」のヨーロッパ6都市8公演を敢行。團十郎の後押しにて07年「第一回櫻香の会」を開催。「第二回櫻香の会」では團十郎脚本「黒谷」で共演している。名古屋市芸術奨励賞、日本演劇協会賞、サントリー地域文化賞などを受賞。伝統芸能の表現者である一方、「日本の伝統文化をつなぐ実行委員会」のプロデュースに携わり、次世代芸能者の育成にも力を注ぐ。

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□公演情報
「古典の日」
日時:2021年12月5日(日)14時開演
場所:名古屋能楽堂(愛知県名古屋市中区三の丸1-1-1)
チケット:全席自由2800円
主催:日本の伝統文化をつなぐ実行委員会
お問い合わせ
メール:mkabuki2@gmail.com
FAX:052-323-4575

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