花田優一、父・貴乃花との勘当報道に「いつの時代かと」 初演技で示す俳優への本気度

靴職人の花田優一(26)が、ジャッキー・ウー監督のショートムービー「残照のかなたに」(2022年公開)で俳優デビューを果たした。10月下旬から11月上旬、長野・上田にある「丸子中央病院」で行われた現場を独占取材。優一の演技の実力はいかに? 初の俳優業から、仕事への向き合い方、両親への思いを聞いた。

「完成した作品を見るのが楽しみ」と笑みを見せる花田優一【写真:ENCOUNT編集部】
「完成した作品を見るのが楽しみ」と笑みを見せる花田優一【写真:ENCOUNT編集部】

ジャッキー・ウー監督のショートムービー「残照のかなたに」で医師役

 靴職人の花田優一(26)が、ジャッキー・ウー監督のショートムービー「残照のかなたに」(2022年公開)で俳優デビューを果たした。10月下旬から11月上旬、長野・上田にある「丸子中央病院」で行われた現場を独占取材。優一の演技の実力はいかに? 初の俳優業から、仕事への向き合い方、両親への思いを聞いた。(取材・文=平辻哲也)

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「残照のかなたに」は病院を舞台にして肺がんの末期患者の老作家(林与一)と看護師(新人・岩瀬あんな)の心温まる交流を描くショートムービー。来年、ベルギーの国際映画祭に出品され、日本でも公開される予定だ。優一は医師役を演じた。

 取材した日は、優一が主人公に病名を告げるシーンと、ウキウキしたヒロインを冷やかすシーンの撮影だった。シリアスなシーンも難なくこなし、監督からは「OK」の声が飛ぶ。ヒロインとのコミカルパートではアドリブも披露し、スタッフから笑いも起こった。

 優一は一切物怖じせず、初とは思えない、堂々たる演技。正直、驚いた。素直な感想を告げると、「客観的にどう見えるか全く分からないんで、全力でやっているだけです。スタッフさんの反応、カメラマンさんや監督の声にしか答えがないんで、良かったのかな、みたいな感じですね。新しいことなので、刺激的で面白い部分もありつつも、大変さの方を感じます。完成を見ないと、何が悪いとか、いいのか、分からないので、完成した作品を見るのが楽しみですね」。

 戸惑いつつも、手応えを感じているように思えた優一に、「演技は80点」との監督の言葉も伝えた。「本当ですか。それが高いのか、低いのか。見る方々が『なんか、いいんじゃない』って思ってくれるんだったらいいなとは思っているんですけどね。必死です」。もちろん、80点は合格点。20点は伸びしろを期待しての減点だ。

 白衣姿もさまになっていたが、役作りはどう行ったのか。「イタリアの靴職人は白衣を着て、お仕事をしたりと、ちょっとお医者さん的な要素もあるんです。同級生にも、お医者さんのお父さんも多かったんで、身近な存在ではあったのかもしれません。東京にいるときには、想像しにくい部分もあったのですが、実際の病院で、実際の看護師さん、医師の方々からお話、お気持ちを聞くと、何かすっと入ってくるところがあったんで、そんなに苦労はしてなかったです」。

 現場では一切台本を持たない。この日も朝7時からの撮影開始だったが、早朝営業の温泉に入って、身支度も整えてきた。「演技の部分では分からないですけども、これまでテレビに出させていただいた経験はあるので、今までの自分の知識と経験でできることは臨みたいという気持ちがあったんです。怖かったんで、セリフは車の中で口ずさんでみたりして、覚えてきました。短かったですしね」と謙遜する。

次のページへ (2/4) やっぱり、スポットライトを浴びる仕事には憧れがありました
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