【追悼】「地獄に堕ちるよ」で人気集めた細木数子さんはサービス精神旺盛の気さくな人だった

実業家として大成功 札束をゴミ用ポリタンクに足で押し込んだ

 波乱万丈の人生だった。1938年生まれ、東京・渋谷区出身。週刊ポストが2005年に掲載したインタビュー記事によると、細木さんは8人兄弟の四女。17歳で水商売の世界に入り、10代でオーナーママになった。バーやクラブ、ディスコを何軒も運営し、美人だったため、男性たちから引く手あまただったという。

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 水商売の業績は右肩上がりだったが、32歳だった1970年に男にだまされ、10億円を超える借金を背負わされた。経営していたクラブのソファーは税務署によって赤紙が貼られ、金策のために闇金融にまで手を出した。青山の四畳半のアパートでカップラーメンをすする暮らしの中で細木さんが始めたのが「六星占術」の研究だった。本人は「ひがな一日やることがないから、占いの勉強をしてたよ」と回想している。

 貧乏生活が2年半続いたころ、借金取りが細木さんから取り上げた店のママをやらないかと持ちかけ、再び水商売に復帰。持ち前の才覚で店を連日の満員にしながら、自分の客の売り上げを貯金した。300万~500万円の小遣いをくれる客もいたというから、すごい売れっ子ぶりだ。こうしてプールしたカネで赤坂に100坪のディスコをオープンした。売り上げの札束をゴミ用ポリタンク3つに足で押し込むほど儲かったという。

 77年には借金で追い詰められていた歌手・島倉千代子(故人)の後見人になったことを週刊誌に批判的な論調で書かれたこともある。時代は違うが99年に浅香光代さん(故人)と野村沙知代さん(故人)が対立して騒動になったときは親交のあった野村さんを擁護した。

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