浅倉カンナ、RIZIN次戦への決意 “純情”からの変貌 「キラー浅倉」を発動させるか

「RIZIN.31」会見で浅倉カンナは意欲を示した【写真:(C)RIZN FF】
「RIZIN.31」会見で浅倉カンナは意欲を示した【写真:(C)RIZN FF】

まさに「キラー浅倉」48発の顔面パンチ

 ここまでの話を総合すると、プロとして浅倉がもう一段階上に行くためには、いかに「キラー浅倉」のスイッチを入れるか。それが鍵になってくる気がしてならない。

 言い換えるなら、いかに今回の対戦相手である大島沙緒里を悪人に思えるか、と考えることもできる。

「そうですね。どんな悪い…、それも難しい話ですけどね(苦笑)。でも(そうしないと)スイッチが入らない…」

 そんな話をしていると、浅倉から一つの提案があった。

 前述通り、浅倉が古瀬戦でイラッとしたのは、試合前の紹介映像を見た後だった。浅倉が言うには古瀬戦に限らず、これまでもそこでイラッとした瞬間があったという。

「だから(佐藤)大輔さんに、ちょっとカンナのことを怒らせてくれって頼みたいくらいですね」と言って浅倉はまた笑ってみせた。

 実際、今回の対戦相手である大島は、会見の際、「浅倉選手は私がRIZINを見ているときから知っている選手で、打撃がうまい、それでいてグラップリングもできる。全部ができる素晴らしい選手だと思います」と浅倉を称賛。そうなると、なかなか大島を悪人だと想像するのもまた難儀な話だろう。だが、その一方で、「総合を始めて2年目になりますが、ベルトを持って闘う以上は負けられないし、しっかり勝ちに行きたいと思っています」「私は始めて少ししかたっていないんですけど、得意なパターンもありますし、まだまだ打撃も練習しているので、勝つイメージはできています」と強気な面も持ち合わせている。

 浅倉にこの話を伝えると、「それ(大島の勝つイメージ)を上回りたいですね」と話した後に、以下のように続けた。

「今まではセコンドに作戦を考えてもらうことが多かったんですけど、最近は自分でも考えるようになって」

 自分で考えるようになった、と言っても、相手の試合映像を何十回と確認するようになったのかといえば、そうではないようだ。

「そんなに何回も見ないですね。見過ぎちゃうと考えすぎちゃうので2回くらい見た印象で(対策を考える)。自分は感覚っていうか、自然と動くときの方が多いので。考えて考えてってやるっていうよりは、だいたいイメージして。そのほうが自然と(カラダが)動くようなタイプなので」

 ならばと大島戦への意気込みを確認すると、理想を含めた今回の目標を口にした。

「できれば一本勝ちか、KOはできなくてもパウンドアウト。ホントに差を見せて勝つのが理想です。前回、タイトル戦をやらせてもらって、自分としては(迎え撃つのではなく)挑戦の試合がしたかったんですけど、こういう試合になったので、なったらなったで、しっかり実力差を見せて、浅倉カンナは強いんだなっていうのは見せたいと思います。でも、そういうのをプレッシャーに感じちゃうとうまくはいかないので、自分の実力の全てを出せればいいかなと思っています」

 もちろん、大島を仮想・浜崎と位置づけながら、今後も勝ち星を増やしつつ、来るべき機会を狙う。それが浅倉の本音になる。

「また(タイトル挑戦には)順番(待ち)、イチから並び直しなので。でもしっかり積み重ねて。また(タイトルを)取れる時期が来ると思うので、しっかりそこまで油断しないでいけば」

 当然のことながら、大島に勝てば、それはダイレクトに年末に予定されるRIZINへの出場を約束されるはず。

 実際、浅倉は「年末はできれば強い外国人と闘いたい」と話す。もちろんそれは浜崎の持つベルトに近づくと信じているからだ。 

“純情可憐タックル女子”から“天然ベビーフェイス”へ。そして今度こそ念願の女子アトム級王座のベルトを腰に巻くべく、浅倉の8年目の挑戦が始まった。

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