【週末は女子プロレス#19】ジャガー横田が語るタイガー・クイーン 佐山サトルと長与千種の遺伝子が一騎打ちへ!

会見で“師弟”がそろい踏み【写真:新井宏】
会見で“師弟”がそろい踏み【写真:新井宏】

敗戦こそオリジナルに向けての転換点

 最後はパートナーの西村が、越中のダイビングヒップアタックからピンフォールを奪われた。その直前、越中のヒップアタックで場外に送り出されたクイーンは立ち上がれず、チームが完全に分断されていた。リング上にプラスして、クイーンのリングアウト負けとも受け取れそうな完敗だったのだ。実際に手を合わせたジャガーも、「やりづらかったのかなという気はします」と、弟子との初対戦を振り返った。さらに、「これを機にもう一度ふんどしを締め直さないといけないでしょう。課題も見えたので、もう一度磨き直して強敵(彩羽)に向かわせますよ」と、師匠として気を引き締めたのだった。

 会場では、うわさのクイーンを初めて見たファンも多かったはず。それだけに、これがクイーンのすべてでないことは記しておきたい。

 予想よりも早く着いた黒星により、むしろ彩羽戦に向け大きなプレッシャーから解放されたのではなかろうか。81年4月のデビューから83年8月のラストマッチまで、初代のシングルでの敗戦は82年7月23日、キッド戦での反則(フェンスアウト)負けただひとつで、ピンフォールされたことはなかった。が、すべてにおいて初代を踏襲する必要はないだろう。すでに第2戦では場外へのムーンサルトアタックという初代にはなかった空中技も披露している。それだけに、この日の敗戦はオリジナルに向けての転換点とプラスに考えてもいいのではないか。

「タイガーの原点を忘れてはいけないけれど、佐山先生も『独り立ちの部分も出していけたらいいね』、とすでにおっしゃってます。いまはコピーみたいな感じになってますので、そこからなにを身につけていけばいいのか。それがいまの課題ですね」とジャガー。

 10・21後楽園での彩羽戦。勝っても負けてもクイーンのネクストが見えてくるだろう。

「山下も佐藤も彩羽も、クイーンのライバルになってほしい」とジャガーは言う。振り返ってみれば、ストロングスタイルプロレスの女子路線は彩羽の試合(20年3・19後楽園、朱里&安納サオリVS松本都&彩羽匠)から始まった。そういった意味からも、頂上対決にふさわしい熱戦を期待したい。

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