【週末は女子プロレス#19】ジャガー横田が語るタイガー・クイーン 佐山サトルと長与千種の遺伝子が一騎打ちへ!

いまなおマット界に絶大な影響力を持つ佐山サトルが、初代タイガーマスク衝撃のデビューから40周年となる今年、女性版タイガーマスク、タイガー・クイーンをデビューさせた。佐山は女子プロのリビングレジェンド、ジャガー横田を主宰団体「ストロングスタイルプロレス」のアドバイザーに迎え入れ、二人三脚で女性版タイガーのプロジェクトを極秘裏に進行。そしてベールを脱いだクイーンは、7・29後楽園での山下りな戦、9・5新木場での佐藤綾子戦でうわさにたがわぬ天才的能力を発揮した。コーチしたジャガーが言う「初代のクローン」とは誇張でもなんでもなく、見る者、とくに初代が巻き起こした国民的ブームをリアルタイムで体感した者の琴線に触れまくったのである。

女子プロ界の注目を集めるタイガー・クイーン【写真:新井宏】
女子プロ界の注目を集めるタイガー・クイーン【写真:新井宏】

「初代のクローン」タイガー・クイーンの衝撃

 いまなおマット界に絶大な影響力を持つ佐山サトルが、初代タイガーマスク衝撃のデビューから40周年となる今年、女性版タイガーマスク、タイガー・クイーンをデビューさせた。佐山は女子プロのリビングレジェンド、ジャガー横田を主宰団体「ストロングスタイルプロレス」のアドバイザーに迎え入れ、二人三脚で女性版タイガーのプロジェクトを極秘裏に進行。そしてベールを脱いだクイーンは、7・29後楽園での山下りな戦、9・5新木場での佐藤綾子戦でうわさにたがわぬ天才的能力を発揮した。コーチしたジャガーが言う「初代のクローン」とは誇張でもなんでもなく、見る者、とくに初代が巻き起こした国民的ブームをリアルタイムで体感した者の琴線に触れまくったのである。

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 そこで今回は、このプロジェクトで大きな役割を果たしているジャガーに話を聞いてみることに。まずは、クイーンの計画を聞いたとき、ジャガーはなにを思ったのだろうか。

「佐山先生から女子タイガーを作るとの話をうかがい、最初は難しいだろうと思いましたね。ただ、あの佐山先生の生徒ですから、実際に見てみると身体能力が高くて、実にのみ込みが早い。言葉数は少ないんですけど、すべて動きでできてしまう、やってしまう。女性ですけども、男性でもあの動きはなかなかできないと思います。私は彼女の素性を知る必要もないし、クイーンにはクイーンとして接してますけども、身長も高くてあのような身体能力を持つ人には会ったことがなかったので、正直ビックリしました」

 ジャガーに与えられたミッションは、女性版タイガー育成であり、自身の後継者探しではない。過去には全日本女子やJDスターで後進の指導を行ってきたが、ここはいままでと大きく異なるところだろう。

「まずは佐山先生の教えからアドバイスをして、私が相手になり動きを入れていく。この繰り返しが主な練習ですね。あくまでも初代タイガーの流れですから私流になってはいけない。いままでは私なりの基礎を教えてきたけど、今回に関しては佐山先生の基礎からですからね。そこからして完全に違いますよ」

 年代としては、佐山もジャガーもほぼ同世代だ。佐山が1976年5月、ジャガーは77年6月にデビューした。81年4月23日、初代タイガーマスクが蔵前国技館でダイナマイト・キッド相手に初登場を果たす2か月前、すでにジャガーは全女の頂点、WWWA世界シングル王座を獲得していた。とはいえ当時は、男子と女子のプロレスには接点がなく、女子プロ自体、専門誌で扱われることもほとんどなかった時代である。

「男子プロレスから取るものはないと思っていました。女子のトップとしても(プライドから)そう考えていましたね。感化されてはいけないとも思っていたから、男子の会場に行くこともなければ、テレビで見ることもありませんでしたね」

 ジャガーに限らず、当時はそれが当たり前だった。しかしながら、81年から83年にかけ、世はタイガーマスクブームの真っただ中。「大きな話題になってましたから、初代タイガーマスクに限っては、私の耳に入ることも多かったです」とジャガー。将来、自分が男子プロレス、しかも初代タイガーと関わることになろうとは、あの頃は夢にも思っていなかった。もちろん、佐山にも同じことが言える。

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