藤井3冠逆転勝利の竜王戦第1局は両者がっぷりの緊迫した大熱戦! 真田圭一八段が解説

豊島将之竜王(31)に藤井聡太3冠(王位、叡王、棋聖=19)が挑戦する第34期竜王戦7番勝負第1局が8、9日、「セルリアンタワー能楽堂」(東京・渋谷)で行われ、先手の藤井3冠が大熱戦の末、123手で勝利。豊島竜王がやや有利という状況をひっくり返し、藤井3冠が勝ちを手にしたこの1局を振り返る。

竜王戦第1局を制した藤井聡太3冠【写真:ENCOUNT編集部】
竜王戦第1局を制した藤井聡太3冠【写真:ENCOUNT編集部】

2日目午前中から難しく緊迫した場面が続いた

 豊島将之竜王(31)に藤井聡太3冠(王位、叡王、棋聖=19)が挑戦する第34期竜王戦7番勝負第1局が8、9日、「セルリアンタワー能楽堂」(東京・渋谷)で行われ、先手の藤井3冠が大熱戦の末、123手で勝利。豊島竜王がやや有利という状況をひっくり返し、藤井3冠が勝ちを手にしたこの1局を振り返る。(文=真田圭一)

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 いよいよ竜王戦7番勝負が始まった。藤井3冠にとっては4つ目のタイトルをかけての挑戦となる。

 タイトル戦の第1局は振り駒。先手を握った藤井3冠は相掛かりを選択。豊島竜王との2度にわたるタイトル戦でも頻繁に現れた戦型で、藤井3冠の得意戦法となりつつある。1日目は一旦局面が収まったかに見えたが、豊島竜王が積極的に動き、呼応した藤井3冠が43手目▲6六金と力強く金を上がった局面で封じ手となった。

 2日目は午前中から緊迫した場面が続く。大駒4枚が飛び交う空中戦となり、お互い選択肢が多く一手一手が難しい展開となった。だが全体的には飛車を手に入れた豊島竜王がやや指しやすそうな形勢となった。いろいろな手が考えられる、ということはある程度、局面の主導権を握っているともいえるからだ。

 藤井3冠は相手がうまく指し回したときに、やや苦しめな展開になることがある。だがそのようなときこそ強さを発揮する。微差で悪くてもその状態のままついていくことができる。本局でもそうで、70手目△4四桂の辺りでは、豊島竜王が良くできそうに見えるものの、ではどうすればいいかというとなかなか難しい。そんな局面を保ち続ける。

次のページへ (2/2) 79手目▲7一飛の辺りから指すごとに差が広がって…
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